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日本計量新報 2009年11月1日 (2796号) |
人が生きることは他の物質とエネルギー代謝をすることである人間は古代から悩んで生きてきた。社会は人間とともに悩みを抱いて、歩みをつづけてきた。縄文の土偶には祈りが込められており、それは自然への畏(おそ)れと敬(うやま)いが入り交じったものであった。考古学の権威で日本計量史学会の副会長を務めていた故八幡一郎博士が後押しして発掘した、長野県茅野市の尖石遺跡(とがりいしいせき)から出土した縄文のビーナスほかの土偶などから、そうした縄文人の心を読み取ることができる。弥生期の卑弥呼の占いなどにもとづく祭祀(さいし)なども、自然への畏れがあってこそ成立するものである。欧州の中世の世界は、畏れの世界そのものであったといってよい。天候不順などによってもたらされる貧困や病気などによって、人は生きることさえ困難であった。人と社会は戦争と飢餓にも悩まされてきた。 |
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