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日本計量新報 2012年3月11日 (2908号) |
震災への日本人の共通理解山を削って高台に家を建てる。山から出た土で平場を盛り上げて津波対策とし、旧来の中心市街地を再興する。防波堤は今以上の高さにして強さも増す。魚市場など海辺の漁業施設は津波のときは水没を前提とし、人は避難用に高い鉄塔に登って難を逃れる。防波堤を越えて押しよせる津波には高くて頑丈なビルに登って非難する。 これは2011年12月22日に策定された岩手県山田町の復興計画の概要で、旧来の鉄道と国道の位置を変更しない事を前提にしたものである。釜石市でも「撓(たわ)まず屈せず」と題して同じ日に復興基本計画をだした。釜石市の復興計画は、産業振興を強く意識しており、堤防は大きな河川敷にあるような土盛りも考えており、津波被害を受けなかった市の内陸部に街の重心が移行する内容になっている。 国の原発関係の機関は原発の耐久試験のことを「ストレス・テスト」と称し、マスコミもまたこれをそのまま使った。英語などの音をそのままカタカナ言葉にした「日本語」は受け取る人によって解釈が異なる場合があるので、コミュニケーション手段としての言葉としては失格である。事実をあいまいにしたい心の現れかもしれないが、東日本大震災で日本が受けた大きな被害は無くなるわけではなく、未来まで影響を受けるのは明かである。 |
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