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日本計量新報 2015年6月28日 (3062号)

計測によって得られ知を使う新しい事例

計測企業が弁当や食堂にその名前を冠して新しい形の事業をつくりだして世のなかを革新する働きをしていることはすばらしい。「はかる」をとおして世界の人々の健康づくりに貢献することを経営理念とする(株)タニタの事業活動であり、太りすぎを予防する食事を提供するタニタ食堂を展開、持ち帰り弁当のチェーン店の「ほっともっと」でタニタ監修弁当を提供しているほか、この理念による健康レシビ本『体脂肪計タニタの社員食堂』がシリーズ累計で500万部を超えて販売を伸ばしている。
 料理用ハカリ、体重計、歩数計などを製造販売することで得た知識とブランドを用いて、食の健康知を食堂や弁当やレシピ本などによって、これまでにない新しい事業を鮮やかに繰り広げていることが世の人々に畏敬されており、今後どのような事業を追加されるのか注目される。同じことで計測企業の事業をつぶさにみると、どの企業もこれまではなかった新しい計測の方法や計測システムによって新規の事業を興している。これらは新しい価値の創造であり、それは新しい情報の概念の創出だ。世のなかに受け入れられ企業が健全に生きていくための要件は、新しい価値の創造、新しい情報概念の創出だ。
 測ることは物事を見えるようにすることであり、測ることは物事を知ることだ。見たいことや知りたいことをかなえようとすると、測ることがどのような形かでなされている。その測ることは知と連結して測ることであり1つの知である。世のなかには物質があり、エネルギーはそれと同じであり分離される。もう1つあるのが情報だ。計測によって得られる値は情報である。変わる状況を計測値として表示し、それを制御のために利用することは広くなされている。計測によって得られた値を大量に集め、それを複合させて総合した知にすることができる。そうした知を役立たせる方法があり、情報処理の技術と結び付けて新しい形の制御が形になりつつある。パナソニックは自動車産業向けに提供していたセンサーなどの事業を、これを使ったシステムとして提供することで、この方面の事業を2倍に拡張する計画を打ち出している。知としての情報を付加した事業をしようということだ。

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