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日本計量新報 2016年10月2日 (3121号)

計量技術と計量制度と計量器産業と国民生活に役立つための計量のニュース

NHKニュースは1日に何本送り出されていか。ラジオをつけっぱなしにした生活をしていると1時間に15分以内の枠で組まれたニュース報道で何度も同じ中身が読まれる。その話はもう聞いたということが1日続き地震のニュースなどが織り込まれる。

「暑さ寒さも彼岸まで」であり秋の花の象徴の彼岸花が埼玉県日高市巾着田で満開になるとこれが報道される。コスモスの花が咲くとコスモス寺になった飛鳥時代創建の奈良市の般若寺が取り上げられる。季節の風物詩報道がニュース枠に組まれている。ほかの報道は政府と各省庁、議会、警察、地方庁ほかに詰めているか定期取材して得たことを見つくろってニュースに仕立てる。

埼玉県の計量行政の長をしていた人の話である。知事室に勤務していたときには記者クラブの麻雀の人数あわせをさせられ、あるときは何かを出せといわれて端切れの資料を出すとそれが大げさなニュースとして報道されるのだという。当事者にとっては何でもないことが重大事として伝えられるのだから、それを聞く側は心構えをしておかなくてはならない。ある情報通というより世のなかをよく知る人は新聞報道などを今ごろこれが知られるようになったのか、というように見ているのだという。

直木賞作家であり、週刊文春で「悩むが花:大人の人生相談」をしている<RUBY CHAR="伊集院静","いじゅういんしずか">氏はこの相談の回答で「新聞社の利益は貸しビル業で上げているようなもんで、まともな経営者、論説委員、記者など数えるほどしかいません。新聞ジャーナリズムの敗退は目をおおうばかりです」と述べている。どこまで知っての発言かは知らない。

 2016710日、第24回参議院議員通常選挙と同日選挙となった鹿児島県知事選挙でテレビ朝日コメンテーター<RUBY CHAR="三反園訓","みたぞのさとし">氏が当選した。

現職であり、東京大学法学部卒で自治省・総務省の国家公務員であった、自由民主党と公明党が支援した伊藤祐一郎氏を敗った。三反園訓氏を支援したのは民進党と社会民主党。同氏は元テレビ朝日報道記者で政治部にいたときには金丸信氏や安倍晋太郎氏の番記者を務めていたこともある。伊藤祐一郎氏、三反園訓氏とも鹿児島県出身で三反園氏は早稲田大学教育学部を卒業している。

安倍晋太郎氏は岸信介氏がこれからは新聞記者の時代だとして婿に選んだひとである。官僚と新聞記者の因縁を鹿児島県知事選挙に凝縮している。東京都知事になった小池百合子氏はテレビキャスターであった。神奈川県知事の黒岩祐治氏はフジテレビジョンに入社しニュースキャスターもしていた。世のなかはテレビの時代であるのだろうか。

ニュースとは何か。現在のニュースの状況はさびしすぎる。かつての日本の軍隊の参謀本部は自分に都合が悪いことは見ないようにした。都合の悪い戦況を報告することをためらう状況ができてもいた。大本営発表を最後まで信じていた普通の人々は玉音放送を聞いて驚いた。玉音放送のはるか前に日本は戦争に負けていたのであった。ラジオからの玉音によって日本の敗戦が宣告された。ニュースにはその対象がある。計量計測とその世界を取り扱う情報とは、計量計測技術と結びついて仕事をしている人々、計量計測の世界と関わって仕事をしている人々にとって必要とされ役に立つ内容であることが求められる。計量技術と計量制度と計量の世界の働きは国と国民の繁栄、生活向上として豊かで文化的な生活に役立つ。

 

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