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日本計量新報 2017年5月14日 (3148号) |
減り続ける日本の人口とそれと連動する産業と経済の状態人は希望を持って生きているだろうか。生きていくためには職を得えなければならないのが今の時代である。ある時代は宿帳の職業欄に無職と書いてあると信用された。働かなくても生きていける身分であることが宿帳の無職に示されていた。地主であったり大棚の亭主であったり、その隠居であるような人々は職業欄に無職と記載して。 会社などに職を得て働いて収入を得ることで衣食住をまかなう。これが今の時代の普通の生き方である。親が残したお金や家作を元にして生きている者もいる。ほとんど何もしないでぶらぶらして暮らす。何もしない、何も考えないということも苦しいことであるが慣れてしまえばそれができる。悠々自適の年金生活者というのはその状態に似ているが何もしないではいられないから文化教室とか何かに出かけて日々を過ごす。 日本の人口は2017(平成29)年4月1日現在1億2679万人で,前年同月に比べ19万人減少している。2016(平成28)年11月1日現在の日本人人口は1億2693万7000人で,前年同月に比べ15万800人減少している。厚生労働省は2017年4月10日に50年後の2065年には8808万人まで減るという予測を発表した。65歳以上の割合である高齢化率(15年で26・6%)も65年に38・4%まで膨らむ。人口と産業そして文化ということでこの先々それがどのように変化していくか。明治初年の日本の人口である3500万人に向かって減っていくとしてどこで止まるかのを予測してほしい。 明治4年(1871年)戸籍法が公布され、各地より提出された戸籍(壬申戸籍)に基づき内務省により明治5年1月29日(太陽暦では1872年3月8日)付で『日本全国戸籍表』が編纂されたときの日本の人口は3480万6000人であった。これ以降は10月1日に5年ごとに実施される国勢調査による人口。大正2年1月1日(1913年)は5130万5000人、昭和5年(1930年)6445万5人、昭和22年(1947年)7810万1473人、昭和45年(1970年)1億372万60人、平成2年(1990年)1億2361万1167人、平成22年(2010年)1億2805万6026人。平成27年(2015年)1億2709万4745人となる。 工業による生産地は日本から海外に移る傾向はつづく。GDPの6割が近くが個人消費であり、ほかに政府消費10%ほどある。GDPにおける産業製造業の構成比は20%ほどであり、すでに20%を下回っている。サービス業はすでに20%を超えている。製造業は他産業へ波及効果が大きいがこの先はどうなるか。サービス業など第3次産業の比率が高まっていく。日本の産業構造がどのように変化していくか。生産と消費という構造のうち食料などは海外依存が高まる。魚を獲ることは第1次産業であるが獲った魚を味醂干しにするのは第2次産業に分類される。農業にしても同じだ。 米国人や欧州人が発明したものを日本人は上手につくった。日本人はアジア人に上手につくることを教えた。中国人も韓国人も日本人に負けないほどにものを上手につくる。メイド・イン・ジャパンが減るのはよい。プロデュース・オブ・ジャパンも減るのではないか。学校教科の履修の成績が良いように見えても、自然のなかに出ての遊びは教えないとできない。理工系の教科の成績がよくても、良いものを考え出して造り出す能力は乏しいのではないか。 日本人の平均年齢は90歳に達する。早くして病死する人を集計から除くと100歳まで生きる。足腰が立たない高齢の人々がそれより若い他人に介抱されて暮らす社会になる。年金は働いて貯めたお金を原資にしてできている支給制度ではない。医療制度やさまざまな福祉制度も国などが蓄えたお金で運営しているのではない。福祉制度や社会保障制度の拡充は安心と安全につながるということのようだが、その原資がないからどこからか運営費を手当てして今を糊塗する。お金がないために国などが用意したお金をみんなで背負う。もう背負いきれないのに今なお金を借りてくる。そのようにしてできているのが地方公共団体であり日本の政府である。 学校を卒業する人の希望はお金が確実に支払われるように思われる大企業への入社である。1960年代末そして70年代初頭には東京都は地方に出張して形式だけの試験をして人を集めた。授業を抜け出して特別区の試験を受けに行くと皆が採用された。行政需要の拡張期であった。生きる希望といっても特別なものはない。夢は何かと子供に聞いて夢を押し付ける社会は間違っている。夢は兵隊さんになることであったその昔の在り方がある意味でまともである。夢は立派な大人になることでよいのではないか。 |
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