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「計量計測データバンク」記事 2022年寄稿

「計量計測データバンク」web記事 2021年
「計量計測データバンク」web記事 2020年
「計量計測データバンク」web記事 2019年
「計量計測データバンク」web記事 2018年

〈目次〉

■2022年4月24日 3378号・3379号に掲載

 

■2022年2月6日 3368号・3369号に掲載

2022年1月23日 3366号・3367号に掲載

2022年1月1日 3363号・3364号・3365号に掲載


■2022年4月24日 3378・3379号に掲載

 

必要な知識と技術を継承していく
東京都計量検定所 副所長兼管理指導課長 後藤 潤


 本年4月に東京都計量検定所 副所長兼管理指導課長に着任しました後藤と申します。

  これまで都庁において、様々な分野の職務を経験し、生活文化局で仕事をしたこともありますが、計量行政に携わるのは初めてです。新たに勉強しなければならないことはたくさんありますが、分野は異なっても、「都民が安心して暮らし、豊かな生活を送ることができるように」という目標は共通するところと思いますし、これまでの仕事で得られた知識や経験も活かすことができると思います。

  日ごろ、私たちは生活の様々な場面で当たり前のように「はかる」ことを行っています。私たちの暮らしは、正しい計量が確保されているという信頼をもとに成り立っているといえます。

  事業者や消費者には、まずこのような計量の大切さを理解し適切に行動できるよう、様々な場面を捉えて説明し理解を得ていくことが大切です。  また、私たち行政職員においては、社会情勢の変化に対応し、関係法令に関する正確な理解と的確な対応が求められるとともに、必要な知識と技術を継承していくことがますます重要なものとなっていると考えます。

  これから、国や自治体、関係団体の皆様とともに力を合わせて取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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関係者と職員との連携が重要
東京都計量検定所 検定課長 廣田裕司


 4月1日付で、検定課長に着任しました廣田と申します。

 私はこれまで、下水道や交通、市場の分野で、設備の維持管理や工事の設計・監督を行うなど社会インフラの維持管理・整備業務に従事してまいりました。

 今回新たに、経済の発展や文化の向上に寄与する計量行政に携わることとなり、身が引き締まる思いでおります。

 日ごろ、私たちが目にする温度計やスーパーマーケットでのグラム表示、タクシーの料金表示などは、公平な経済活動や取引を実現するため、日々、関係者の皆さまが努力し支えている、ということを改めて認識しているところでございます。

 今後も計量を通じて、都民のくらしを守っていくためには、日々変化する社会情勢や技術革新に着実に対応していくとともに、必要な知識と技術を継承していくことが重要になると考えております。そのためには、当所職員と関係者の皆さまの連携が非常に重要となりますので、引き続き皆さまのご協力と、ご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。

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皆様方の力をお借りして信頼に応える
東京都計量検定所 検査課長 小松崎竜一


 就任にあたり、ごあいさつの機会をいただき、ありがとうございます。

 私はこれまで、上下水道や市場、地域冷暖房などの施設整備等に携わってまいりました。4月からは一転して経済発展や文化向上の起点となる計量検査に携わることとなり、身が引き締まる思いでおります。

 私生活の中でよく目にするスーパーマーケットのはかりや商品表示、タクシーの料金メーターは、公平な取引や活動を実現するために当所の職員のほか、関係者の皆様が日々努力しながら支えていることを、今更ですが認識したところです。

 今後も計量を通じて社会貢献を果たしていくため、ベテランのノウハウや知見の活用にとどまらず、時代の流れと方向性を見極めながら、若手や皆様方の力をお借りして、多くの方々の信頼に応えていかなければならないと考えております。皆さまのご指導ご鞭撻をいただき、精一杯頑張りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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なぜ丸い
愛知計量士部会 江尻義博


 人の性格が「丸い」のは、友人付き合いをする上で軋轢が少なく肩の凝らない良い兆候と言える。

 船名に「丸」が付く由来は諸説あるようなのですが、小生が好きなのは城塞に本丸、一の丸等がロケーションされ偉容を放つように、船名にも一国一城の主たらんとした由来が良い。

 幕末、勝海舟達が太平洋を航海したのは「咸臨丸」(全長:48・8m、幅:8・5m)であった。

 ただ明治時代に入ると「船舶法」の条文に「船舶の名称には、丸の字を付せしむべし」とあるようなので、これが慣例化したとも言える。

 現在は情報量が豊富なので、誰もが「地球は丸い」と知っているし、疑う余地はない。

  46億年以前に星間ガスやチリが引力を得て、運動エネルギーで回転と高い密度の円盤状星間雲になり、円盤中心に重力エネルギーが働き原始太陽が生まれた。

  この時点で、熱エネルギー(運動エネルギー)が大きければ膨張してしまうが、重力エネルギーが勝れば中心に原始太陽(恒星)が残る。

 円盤状原始太陽系星雲成分が結合を繰り返し成長し、原始太陽に近いエリアに密度の大きい岩石質惑星(水星・金星・地球・火星)が、円盤外周にはガス成分質惑星(木星・土星)ができる。また原始太陽を中心にした円盤状であった為、各惑星はほぼ同じ平面上軌道を同方向に公転する。

 原始太陽に遅れること約5000万年〜1億年後に原始地球ができる。

各惑星(太陽系には8個の惑星がある。以前は冥王星を含め9個であったが、準惑星なので含めない)は、最近の映像(宇宙探査機ボイジャーやジュピターからの映像)を見ても「丸い」。

  「何故8個全てが丸いのか?」は、一般に体積一定で表面積が最小になる立体は球で、重力は中心に向かって働くので、全体が高温状態であれば流動性があり表面が均される事は推測できる。

 さて、地球は「水の惑星」であり、我々人体も約60%は水分である。

  水は「表面張力」(表面積を最小にしようとする力)が大きく(20℃)72・8mN/mで、液体物質の中で(水銀や無機物、金属、化合物は除く)最大値を示す。この為、「蓮の葉、里芋の葉、カンナの葉」等々に水がかかると「丸い」水滴ができる。


 これら植物の葉には撥水効果があり、表面の汚れを自浄作用として清浄にする「ロータス効果」が備わっている。例えば、「カンナの葉」の大きいのを選んで、表面をきれいなタオルで軽く拭いて@水道水、A局方エタノール99%、B60%希釈、C10%希釈、D1%希釈を1枚の葉の5箇所にスポイトで数滴落としてみると、D99%エタノール1%希釈するとほぼ水道水と同じ「丸い」水滴ができる。なおエタノールの表面張力は(20℃)22・3mN/mと低いので「濡れ」易い。水滴が「丸」くなったり、水が氷結時体積が1割増大するのは「水素結合」の強さで説明される。

 【参考にした本】「絵でわかる 宇宙地球科学」寺田健太郎著、 講談社2018年判、「おもしろサイエンス 水の科学」神崎ト著、日刊工業新聞社2012年判


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2022年2月6日 3368号・3369号に掲載

 

当組合員の技術継承に全力を

日本硝子製計量器工業協同組合理事長 横山守二

2021年を振り返って

 昨年はコロナに始まりコロナで終わったという感じです。年末にはオミクロン株が世界中で発見され日本にも感染者が見つかり予断を許さない状況です。 

経済は、世界中で半導体不足による製品供給の遅れが重大な問題を引き起こしています。

 日本でも自動車の生産台数が2030%減少しました。また原油や銅を始め資源価格の高騰を視野に入れて製品価格も見直さなければなりません。

 製造業は少しずつ回復傾向になるという観測でおりましたが引き続き難しい状況が続くでしょう。

 昨年から水銀条約に伴い可決された環境汚染の防止に関する法律が適用されましたが、既にお手元にある水銀温度計、ご利用中の水銀温度計に関しては問題なく継続してご利用いただけます。新たに製造するものについては一定の条件のもと、製造事業者が製造申請、許可を受け対応することになりますが、研究、計測器の校正及び参照を目的とする製品、非電気式で高精密度の測定に使用されるもので、申請により許可を受けた製品は従前通り製造することが出来ます。

 たとえば、1目盛の値が1℃の温度計を校正に使用する場合、製造申請をして審査を受け、許可されれば製造可能です。

 また目量などにより適応除外に該当する水銀温度計は製造申請の必要がなく従前通り製造することが出来ます。具体的には以下となります。

@計ることができる最高温度が300℃以下であって、目量が05℃以下のもの

A計ることができる最高温度が300℃を超え500℃以下のものであって、目量が2℃以下のもの(Bに該当するものを除く)

B硫酸その他腐食性の高い薬品の温度を計ることができるものであって、計ることのできる最高温度が200℃を超え500℃以下のもののうち、目量が2℃以下のもの

 以上のことをご理解いただき従来通り利用していただければと思います。

■事業継承への取組み

 硝子製温度計や硝子製浮ひょうはモノづくりの原点となり、製品の高品質を保証するものとなり、機能、性能を安定に実現することができます。こういった技術を継承していかなければなりません。

 弊社(東亜計器製作所)では昨年10月に水銀を使用しない硝子製温度計「ネオブルー標準温度計」を販売開始いたしました。新しい加工技術により目量01℃、読み取り分解能は最高001℃と高精度を実現しています。感温液に水銀を使用していないため管理しやすく品質管理の現場でも活躍が期待できると思います。

 日本硝子計量器工業協同組合としても技術継承と向上を推進し取り組んでまいります。

 組合員はもとより関係官庁、関係団体、関係各位の皆様のご指導ご鞭撻をお願いいたします。以上年頭にあたりごあいさつとさせていただきます。

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IT活用・リモート化推進による安全性の高度化を目指して

日本ガスメーター工業会会長 宮澤光晴



 今、世界経済は国や地域によるばらつきはあるものの、総じてコロナ危機による落ち込みから回復を続けています。

 足下では部品・原材料不足の深刻化、資源価格の上昇、サプライチェーンを通じた供給制約等の問題があるものの、本年は経済活動正常化による雇用・所得・消費の回復により、政府の政策効果に支えられた回復から、自律的な回復が本格化する年になりそうです。

 そのような中、エネルギー業界もIT活用やリモート化を推進する方向性が固まり、ガスのみならず電力、水道も含めたスマートメーターの開発・普及を進めるための協議・検討が進んでいます。新型コロナ危機の影響が各方面に及ぶ中、ガスメーターはマイコンメーター誕生以来の大きな変革期に差し掛かっており、より高い保安機能を有する新しいガスメーターを模索する動きも始まっています。

 新しく迎えた2022年は、十干では壬 (みずのえ) に当たり、本義は妊で陽気に下を妊むです。つまり、本年より2029年までの流れを妊むということで、これからの2020年代を決定する重要な年となりそうです。

 当会ではガス業界およびガス消費者全ての方々に安心してガスをご利用いただくため、また、利便性の向上のために必要な施策・事業をガス事業者様はじめ関係諸団体様と相協力して展開してまいります。

 

主な活動としては。

1、国際化及び規制緩和への対応として、@国内外の動向調査 A計量行政改革への対応 B電子化メーター試験基準の見直し。

2、ガスメーターの性能向上に関する調査研究及び支援活動として、@スマートメーターに関する通信技術の動向調査 A関係団体への協力及び支援。

3、保安向上と適正計量の啓蒙と支援活動として、 @LPガス消費者保安に関する事業 A公開情報の作成維持管理及び発信・普及 B地方組織との交流促進、情報共有。その他さまざまな活動を行っております。

 ガス事業者様をはじめ関係行政機関のご指導とご協力をいただきサービス向上に役立てるよう取り組んでまいります。ご支援に感謝申し上げるとともに、信頼に応えられるガスメーターを供給し続けるよう努力していくことを約束いたします。

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2022年定時総会を7月に東京で開催

全国計量器販売事業者連合会会長 大森規雄



 昨年も一昨年に続き新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。

 日本全国の感染者は昨年819日に25000人を超え、東京オリンピック・パラリンピックは最大級の第5波の渦中におこなわれましたが、徹底した感染対策によって競技者に新型コロナウイルスがまん延することなく無事成功に終わりました。日本は東京オリンピックで金メダル27個を含む過去最多の58個のメダルを獲得し、東京パラリンピックでは金メダル13個を含む過去2番目の51個を獲得しました。

 私もテレビでさまざまな競技を視聴しましたが、予想以上に感動したのは東京パラリンピックの男子車椅子バスケットボールでした。私はバスケットボール自体あまり興味がありませんでしたが、たまたまテレビをつけたときに日本戦の男子車椅子バスケットボールが映りまして、選手の皆さんの技術力の高さに試合終了まで見入ってしまいました。車椅子でもここまで迫力のある試合ができるとは思いもしませんでした。

 さて、全国計量器販売事業者連合会(以下「計販連」)は定時総会を日本全国の観光地で毎年場所を変えて実施しております。その理由は、各地に会員がいらっしゃいますので、その地域の会員に懇親会での余興や翌日の観光の企画等のお手伝いをしていただきまして、会員同士の交流はいうまでもなく、その地域ならではの行事やその時期ならではの絶景を会員の皆様に楽しんでいただくことを目的としております。ご夫婦やご家族連れで参加される方もいらっしゃいます。

 

 また、主にその地域の会員企業から推薦していただいた従業員を当会で優秀従業員として表彰もおこなっておりますので、従業員のモチベーションにもなっていると思われます。

 

 しかし、この定時総会も新型コロナウイルス感染拡大の影響により一昨年に続きまして昨年も「中止」となってしまいました。私が2019年(令和元年)7月に神奈川県の箱根湯本で行われた定時総会で会長に就任してから一度も観光地での定時総会を開催しておらず、楽しみにしていただいている会員の皆様ならびにご家族の方々には大変申し訳なく思っております。

 

 今後も新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されていることから、今年も観光地でおこなう定時総会を自粛し、計販連の事務局もあり私の地元でもあります「東京」で行う予定をしております。

 

 開催時期につきましては例年おこなっておりました7月ごろを軸に検討しておりますが、新型コロナウイルスの感染状況を見据えながら今後の理事会で決めていきたいと考えております。

 

 今年も計量関係諸団体の方々と会員の皆様にご支援とご協力をお願いしまして、簡単ではございますが新年のあいさつとさせていただきます。


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ポストコロナを見据えて環境計量分野のDX

日本環境測定分析協会会長  上東浩進

 

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は当協会の活動にご理解並びにご支援、ご指導を賜り、誠にありがとうございます。この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

 新型コロナ禍も丸2年を迎えますが、未だ先行き不透明な状況が続いております。我々の環境計量分野でも緊急事態宣言を受けて、在宅勤務率を高めるように種々努力は続けてきたものの、環境計量分野では、特に、“現場”抜きには考えられない業務もあり、改めて、オンラインにできるものとできないものとが明確になってしまったという事実を真摯に受け止めております。

 さて、ここで、環境計量分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)について振り返ってみます。

 20134月から、環境計量分野を中心に各業界の有志が集まり、国内外の動向を共有し、日本国内でも電子納品(EDDElectronic Data Deliverables)の枠組みづくりを目的として、任意団体『日本版EDD研究会』を立ち上げ、ニーズの高い分野の電子納品について検討しておりました。

 欧米のラボでは、既に、業務を受託後、現場で試料サンプリングから、前処理、分析、報告書作成、報告(納品)、売上、入金並びに顧客対応まで、一貫したサービスシステムが構築されており、日本国内の立ち遅れは、正に周回遅れという状況に愕然といたしました。

 そこで、20144月には、環境計量証明書の電子納品(EDD)化を目指す、(一社)日本EDD認証推進協議会(JEDAC)を設立して本格的な活動を始めました。

 そんな中、経済産業省計量行政室の三浦室長(当時)から、当協会の田中会長(当時)に「計量証明書の電子交付について、日環協でガイドラインを作ってほしい」とのご要請があり、田中会長と小職が中心となり、計量行政室のご指導を仰ぎながら、201510月、「計量証明事業における計量結果の電子交付の運用基準(ガイドライン)」を策定、公表いたしました。また、同月、JEDACから、当該ガイドラインに準拠した計量証明書の電子発行サービスである『e―計量』がリリースされました。

 この『e―計量』は、20183月には、内閣官房IT総合戦略室の民―民手続におけるデジタル化の取組において、事例として「4、環境計量証明書の電子化」掲載されるなど、徐々にではありますが認知されてきました。

 しかしながら、我々の環境計量業界でも、「興味はあり、確かに流れはDX化だけど、まだ早い」とか、「中小や零細企業では、難しい」などの意識を持つところが多く、合わせて、行政サイドもDX化の遅れで、本格的な電子納品に対応ができないなど、なかなか導入が進まない状況が続いておりました。

 ところが、一昨年の新型コロナ禍で、環境計量分野では、環境計量士による計量証明書の発行作業において、この『e―計量』サービスの有用性が一気に再認識されることになりました。環境計量士による計量証明書の発行は、従前の紙ベースであれば、基本、出社して、計量証明書に「押印」する必要がありますが、『e―計量』であれば、インターネットに繋がさえすれば、自宅や出張先からでも、環境計量士が、計量証明書に唯一無二の電子署名をすることで、計量証明書の原本として発行することができ、電子メール等で顧客に納品(電子納品)が可能となります。また、電子納品のため、報告書郵送料の削減やペーパーレス化により、カーボンニュートラルの視点でも、有益なツールになります。

 特にこの1年は、『e―計量』の導入機関や導入を検討する機関が確実に増加してきており、漸く、本格的な普及に向けて動き始めたように感じます。今後、日環協としては、官民一体となって、環境計量分野のDX化の一助として、電子納品の普及に努めて参りたいと思っております。

 多少なりとも計量分野でのDX化のご参考なれば幸いです。

 ポストコロナで、皆様と直接お会いして、お話やご意見をお伺いできる日を楽しみにいたしております。

 皆様とご家族並びにご関係の方々のご健勝を祈念いたします。


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コロナ禍でも会員の交流の場を提供し、業界全体のつながりを深める

日本試験機工業会会長  石田雅昭



 2022年の幕開けを健やかにお迎えのこととお慶び申しあげます。新しき年が皆さまにとって希望に満ちたものでありますことを、心よりお祈り申しあげます。

 昨年を振り返りますと、一昨年から新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、世界経済が大きな打撃を受けました。しかし今期に入り経済活動が再開され、景気のV字回復する国が増えるなど経済活動が活発化した一年でした。それに伴い、原材料の高騰、半導体・電子部品やコンテナ不足による影響が顕在化し、製造業では生産量が制限される年でもありました。

 当工業会におきましては、2020年度統計報告の販売高は前年度から約2割弱減少いたしましたが、2021年度実績は前年実績をかなり上回るのではないかと考えられます。

 国内ではワクチン接種が普及し、その効果もあり10月頃から12月現在まで新規陽性者数が減少しています。12月現在で新たな変異種が日本でも発見され、世界中が警戒を強めています。しかし、第3回目のブースター接種が実施され、経口薬の開発が完了して一般に普及すれば、世界を揺るがすパンデミックも終息していくのではないかと希望を込めて考えています。

 明るい話題としては、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されました。開催にあたり賛否両論ありましたが、日本人選手の活躍を見て、日本中が明るい気持ちになりました。また、真鍋淑郎上席研究員がノーベル物理学賞を受賞されたことも大変喜ばしいニュースでした。2019年、吉野彰旭化成名誉フェローの受賞に続いてのノーベル賞受賞を嬉しく思います。

 昨年の当工業会としての活動では、リモートを活用しながら感染対策を工夫して各工業会活動を推進してきました。

 5月の定時総会は、一昨年では会員企業は総会に出席せず、委任状をいただいた開催となりました。一方、昨年は全面リモート形式で多数の会員のみなさまとリアルタイムに開催することができました。

 また、昨年10月に「未来につなぐ試験と計測”見せる信頼―確かな品質”」をテーマとして、東京ビッグサイトで「TEST2021−第16回総合試験機器展」を開催。会員企業22社を含め合計46社にご出展いただきました。コロナ禍でありながら、来場者数は4000名を超えました。開催の判断が難しい状況の中、リアルでの展示会ができたことは素晴らしく思います。参加されたみなさんと事務局の努力のおかげだと大変感謝しております。本取組みを通じて改めて、試験と計測に対するニーズの高まりを実感いたしました。新しい情報を発信することで業界の活性化に寄与してまいります。

 今年における工業会の活動は、対面式の活動に加えてリモートを活用など工夫してさらに活発化していく所存です。

 今年度は中止としました賀詞交歓会の代替として、3月には代表者懇親会を予定しております。工業会の活動は短期的には不要不急のように思われますが、長期的には重要です。コロナ禍で少なくなった会員企業の交流の場を提供することで、業界全体のつながりを少しでも深めることができれば幸いです。

 当工業会と会員企業は、これからも試験を必要とされる皆さまからのご要望やご期待に応えることで、技術振興と産業発展に貢献してまいります。そのために、当工業会は今後も積極的に活動を推進し、サポートを充実させていく所存ですので、皆さまにおかれましては引き続きご支援、ご協力をお願い申しあげます。

 会員ならびに関係各位のますますのご繁栄とご多幸を祈念し、ご挨拶とさせていただきます。



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2022年1月23日 3366号・3367号に掲載


「経済と環境の好循環」を促進精度の高い計量データに対するニーズは大きい
経済産業省産業技術環境局長 奈須野 太

 令和4年の新春を迎えられたこと、お慶びを申し上げます。

 

 未だ新型コロナウイルス感染症の脅威が続いており、日々、この感染症の終息に向けて力を尽くしてくださっている方々に、改めて敬意を表し、感謝申し上げます。こうした中ではございますが、本年が皆様にとって幸多く、実り豊かな一年となることを心よりお祈り申し上げます。

 日本は、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減するとともに、2050年にカーボンニュートラルを達成することを目標としています。昨年10月末から11月に英国で開催されたCOP26には、私も岸田総理大臣も参加し、全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけ、懸案となっていた市場メカニズムを始めとする、パリ協定の重要な議題で合意に至ることができました。

 2兆円のグリーンイノベーション基金をはじめ、税、金融、規制、標準など、あらゆる政策を総動員し、脱炭素に向けた企業の前向きな挑戦を後押ししてまいります。また、地球温暖化に加え海洋プラスチックごみ問題等の地球規模の環境課題が深刻化し、サーキュラー・エコノミーへの転換が世界的に進んでいます。

 こうした中、様々な製品に使用されている「プラスチック」という素材に着目し、プラスチックを使用している製品のライフサイクル全般において3RRenewableの取組を促す、プラスチック資源循環促進法を昨年6月に成立させました。引き続き「経済と環境の好循環」が促進されるよう、関係省庁とも連携しつつ、尽力してまいります。

 資源の乏しい日本にとって、成長の鍵を握るのはイノベーションです。昨年10月には、岸田総理大臣が科学技術立国の実現を日本の成長戦略の第一の柱に位置付けました。これを実現するため、昨年3月に策定いたしました科学技術・イノベーション基本計画に基づいて、今後5年間で、政府全体として約30兆円の政府研究開発投資を確保し、これを呼び水として、官民あわせて約120兆円の研究開発投資を行っていきます。

 また、経済産業省としても、今後の経済成長の基盤となる、グリーンやデジタル、AI、量子、バイオなどの分野における研究開発を支援するとともに、有用な技術シーズの社会実装に繋げイノベーションを促進するため、産学連携の強化や、研究開発型スタートアップへの支援、研究開発人材の育成や、若手研究者と企業とのマッチング支援にしっかりと取り組んでまいります。

 事業化が難しいSDGs等の社会課題やカーボンニュートラルなどの新しいビジネス機会においては、企業がルール形成や標準化を通じて市場創出に取り組むことが不可欠です。経済産業省では、昨年4月にルール形成により市場創出に取り組むプロジェクトを評価する指標として「市場形成力指標」の第一版を公表しており、この指標を評価基準として、標準化に取り組む企業を支援しています。

 昨年末には、国内企業1万社を対象に、企業の市場形成力に関するアンケート調査を実施しました。この調査結果を基に、企業のルール形成への体制を評価する「市場形成力指標」の第二版を今年度中に公表する予定です。これらの指標を活用し、市場創出に取り組む企業の行動変革を促すべく、引き続き取り組んでまいります。

 また、AIIoT、ロボット技術等が急速に進展する中、精度の高い計量データに対するニーズは非常に大きく、正確な計量を確保するための計量制度の重要性は一層増しているところです。計量制度が引き続き、重要な社会基盤として、その機能を十分果たしていけるよう、官民で一層の緊密な連携を図り、実効性ある計量行政を実現してまいります。

 本年も皆様のご支援、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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我が国の自律性・技術優位性の確保を進める
経済産業省製造産業局産業機械課長安田 篤

 令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルスとの厳しい戦いを余儀なくされた1年でした。新型コロナウイルスにより健康面や生活面などで影響を受けておられる方々に心よりお見舞い申し上げます。

 足下では、新たに報告されたオミクロン株が多くの国で確認されるなど、新型コロナウイルスとの戦いは続いておりますが、2050年カーボンニュートラル、経済安全保障、人権デュー・ディリジェンスなど、ポストコロナの時代に向けた取組を、引き続き皆様と進めてまいりたいと思います。

 昨年10月には、第6次エネルギー基本計画を閣議決定し、2050年カーボンニュートラル、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示しました。徹底した省エネルギーの推進や、再生可能エネルギーの最大限の導入、非効率石炭火力のフェードアウト、水素・アンモニア、CCUS等を活用した脱炭素型の火力への置き換えを進めるなど、この計画を実行していきます。

 新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワーク等日常生活におけるデジタル化が幅広く浸透しました。従来の工場の人手不足や生産性向上に対応したロボット等のデジタル技術の活用のみならず、物流や小売業等でのロボット導入や、インフラ点検や離島物流、災害対応でのドローン活用など、新たな技術の活用の場が拡大しています。昨年11月には、ユーザー側がロボットを導入しやすい環境、いわゆる「ロボットフレンドリー(ロボフレ)」を実現するための取組の一つとして、経済産業省内においても、コンビニエンスストアのバックヤード作業を行うロボットを導入しました。こうした成果も活用しながら、引き続き、更なる環境整備に努めてまいります。

 米中対立の激化や新型コロナウイルスの影響で明らかになったサプライチェーン上の脆弱性に対処するため、重要な生産・技術基盤の強靱化等を通じて、我が国の自律性・技術優位性の確保を強力に進めます。特に、「産業の脳」とも言われる先端半導体の製造拠点の、我が国への立地促進に向けて、「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」を打ち出し、他国に匹敵する形で、複数年度にわたる支援の枠組みを構築します。

 サプライチェーン全体での競争力強化を図る上では、企業間の取引適正化も重要な課題です。産業機械業界では、約束手形の利用等廃止も盛り込んだ業種別の自主行動計画の改定にご協力いただきました。この場をお借りして業界の皆様のご尽力に深く感謝を申し上げます。引き続きサプライチェーン全体で付加価値を生み出せるよう、望ましい取引習慣の遵守を宣言する「パートナーシップ構築宣言」の拡大に御協力いただくとともに、取引の適正化に向けて、幅広い業界の方々との議論を深めながら取り組んでまいりたいと思います。

 また、福島の復興は、経済産業省の最重要課題です。経済産業省では、福島県とともに、「福島イノベーション・コースト構想」の中核となる「福島ロボットテストフィールド」を拠点として、ロボットに加えて、ドローン、空飛ぶクルマといった次世代空モビリティの研究開発・実証や制度整備等を推進しております。昨年は、新型コロナウイルスの影響により延期となっていた「World Robot Summit 2020」を9月に愛知、10月に福島ロボットテストフィールドで開催いたしました。引き続き福島をロボットや次世代の空モビリティのイノベーションの中核地とすべく、取り組んでまいります。

 2025年には大阪・関西万博を迎えます。「未来社会の実験場」をコンセプトに、空飛ぶクルマの飛行実現も含めた最新の技術や、その技術を活用した、さまざまな課題解決の具体的事例を集めて、世界中に発信していきます。日本の、そして、世界の課題解決につながる万博のレガシーを作ることができるよう、政府のみならず、自治体や経済界と一致団結して取り組んでまいります。

 これからも皆様の現場の声をお伺いし、それを産業政策に生かしていきたいと考えております。何かお困りごとやご提案などがございましたら、どうぞお気軽にお声を掛けてください。

 本年が、皆様にとってさらなる飛躍の1年となることを祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。

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3つの基本方針にそって活動を展開
日本電気計測器工業会会長  曽禰寛純

 2022年の年頭にあたり謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 新型コロナウィルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々、感染拡大により困難な状況におられる方々には心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者をはじめ、最前線で感染拡大防止にご尽力されている多くの方々に改めて敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。

 新型コロナウィルス感染症は、予断を許さない状況にあります。月例経済報告でも経済社会活動が正常化に向かい、景気が持ち直していくことが期待される一方で、供給難や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があるという状況です。

 そのような状況の中、米国新政権や欧州を含めグローバルな経済活動での温室ガス削減への動き、またその新たな展開に必要な技術や社会の革新・変革と対応するGX(グリーントランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)への積極的な動きが進んでいます。

 当工業会も、国内外での生産・サービス対応においては厳しい環境が続いておりますが、社会要請や事業機会の変化に対応する新たな働き方や事業の動きに関して、SDGsDXへの取り組みを進めるための状況把握や管理データの創出に無くてはならない「計測・計量、制御」という当工業会のコア技術への需要も活発になってきており、2021年度電気計測器全体の売上高は前年度を上回る見込みで推移しております。

 このような大きな変化の時、当工業会では、ウィズコロナ、ポストコロナのニューノーマル時代を見据え、新たに2021年度からの次の3つの基本方針を定めました。

1、ニューノーマル時代のDX推進による工業会活動の進化

2、データ社会を支える計測技術の技術革新・進化

3、繋がるJEMIMA

 第1の「DX推進」についてはタスクフォースを発足させ、JEMIMAで取り組む2つの領域と推進の5つの柱を策定し、会員企業との接点の大きな部会・委員会も加えて工業会全体での取り組みを進めています。2つの領域とは、JEMIMAおよび会員企業におけるDXの推進と、JEMIMAおよび会員企業の製品・サービスによるお客様のDX推進の2つです。5つの柱には、お客様のDX展開に資する将来の電気計測機器の研究、計測データの利・活用における諸課題への整備等を含む重点課題を選んで進めています。

 第2の「データ社会を支える計測技術の革新・進化」については、DX/データ社会における計測・計量の重要性、位置づけとともに、新たな価値創出のための技術の革新・進化に取り組んでいます。

 第3の「繋がり」に関しては、広く内外での新たな接点を拡大し、価値提供を進めてまいります。特に感染症対応で整備された当工業会のリモートでの活動の標準化、拡大などが進み、オンラインならではの全国規模で参加可能なセミナーや報告会などが増加いたしました。また工業会ならではの接点を持つ有識者と会員各社の経営者の対話・交流による情報提供・政策ディスカッションに焦点をあてた「JEMIMA政策研究会セミナー」をスタートし、継続開催を進めています。

 また、当工業会の最大のイベントである展示会は、例年秋に行われておりますが、オリンピックの開催の影響で、今年は2回の大きな展示会を開催いたします。まず、1月に当工業会を含む3つの工業会主催のIIFES2022(アイアイフェス)が、東京ビッグサイトにおいて開催予定です。一昨年、関西での「計測展2020OSAKA」で、リアル展示会の持つ特長を最大限に発揮しながら同時にオンラインでの展示会を加えた「ハイブリッド展示会」を他に先駆けて開催した実績とノウハウを活用し、今年のIIFES2022も充実した「ハイブリッド展示会」となります。ぜひ多くの方のご来場、ご参加をお待ちしております。さらに、10月には「計測展2022 OSAKA」(ハイブリッド開催)を準備しております。

 このように、多くの情報発信やネットワークの構築を進め「繋がるJEMIMA」を実践してまいります。

 これからも、JEMIMA基本方針に沿って活動の展開を進め、新たな潮流の先端を走る工業会へと変革を進めることで、会員企業の皆様への価値提供と、会員企業の皆様を通じての社会への価値提供を進めてまいります。

 最後になりましたが、日ごろ当工業会の事業運営にご協力いただいております各会員企業の皆様に深く感謝申し上げますとともに、本年もなお一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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製品・技術・品質向上への推進
日本圧力計温度計工業会会長 西野寧一

 令和4年の新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素は、日本圧力計温度計工業会の活動に、ご理解ご指導を賜り厚く御礼申しあげます。新年にあたりまして一言ごあいさつをさせていただきます。

 昨年一年延期された東京オリンピック・パラリンピックは無観客で無事終了することができ、世界中へ感動を与えることができました。

 しかし、新型コロナウイルスは、依然として全世界で猛威を奮っております。人の移動の躊躇等による行動制限は経済活動に深刻な影響を及ぼし続けており、旅行業・観光業・サービス業への厳しさは続いておりますが、飲食業界は回復が望まれております。しかし、食料品や食品小売業・コンビニ業・医薬品業界では消費が伸びております。

 また、脱炭素化社会への推進につきまして、2050年排出炭素ガスゼロの方針が世界に発信され、これに関連する産業につきましてもフォローの風が期待されています。追加のワクチン接種の前倒しや対新型コロナウイルスの特効薬などの早期普及により、コロナ後のV字回復に期待したいと思います。

 本年より事務局の「テレワーク」により在宅勤務による非接触と通勤時間の軽減を推進いたします。

 アネロイド形圧力計の生産量におきましては、前年並みの生産数で維持しています。

 昨年より令和3年度産業標準化推進事業の一環として、『JIS B750522015アネロイド型圧力計―第2部:取引又は証明用』の改正が計画されております。改正概要は、水銀を使用した基準液柱型圧力計の水銀汚染防止法により、今後、取扱および製造の継続に困難が生じることを懸念し、代替となる基準電気式圧力計(仮称であり,計量範囲は220kPa以下)を導入するために規格改正を行います。

 また、この改正にあたり、器差検定に用いる基準器の基準器公差をはじめとする基準器に関連する規定を中心に見直しが行われ本年3月完成予定です。産業界の「安全・安心・信頼」が叫ばれ、計量・計測機器の技術向上及び製品の品質向上が、お客様の製品の高品質化に貢献しているものと考えます。

 当業界においては、水俣条約施行により水銀使用禁止が実施され、水銀充満圧力式指示温度計が使用禁止・全廃されました。既にJIS B7549液体充満圧力式温度計を制定、JIS B7529蒸気圧式指示温度計を改正し、生産・提供しておりますので、使用者の皆様には、安心してご使用くだるようご案内いたします。

 メーカーとしては水銀充満圧力式指示温度計の、気体充満圧力式指示温度計への代替えが既に完了しておりますのでご安心してご使用願います。水銀充満圧力式指示温度計につきましては、全廃となりましたので、万が一ご使用中のユーザー様におかれましては、非水銀温度計への切り替えにつきまして絶大なるご理解・ご協力を重ねてお願いするしだいです。

 ただ、水銀の特性を最大限生かし、過酷な使用環境条件(高温・高圧・高粘度な測定体の圧力を測定)において圧力計測を行う特殊計器である高温用ダイアフラムシール式圧力計測器と、圧力計を製造するにあたり校正・検査を行う水銀基準液柱型圧力計につきましては、製造・販売・使用は水俣条約の適用外となりましたのでご承知おきください。

 機械式圧力計・金属製温度計は産業界になくてはならないマザーツールであり、主なるユーザー層は、一般産業機械をはじめ油圧機器、空圧機器、建設機械、石油化学プラント、電力プラント、空調設備、高圧ガス関連、半導体製造装置、鉄道車両等広範囲のユーザーで圧力、温度の監視に使用されており、産業界においてはなくてはならない製品であり、多品種、堅牢安価、電源不要で長年に亘りご愛顧を頂いております。お客様の安全・安心を守る重要な計測器でございます。

 信頼性の高い製品をタイムリーにお客様に提供し、安全・安心及び信頼性を向上し、お客様製品の高品質維持のお役に立てていることを自負し、今後とも努力をしてまいります。

 本年も当工業会の会員企業にとって魅力ある団体として、有益な情報をよりスピーディに共有し健全な活動が図れるよう注力してまいりたいと考えております。

 関係各位におかれましては、私ども工業会と業界の発展にご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげると共に、皆々様のますますのご発展を祈念いたしまして新年のごあいさつといたします。

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モノづくりが世界で活躍できるようバックアップする
日本精密測定機器工業会会長  吉田 

 皆様、あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 また、皆様には平素より日本精密測定機器工業会の活動に深いご理解とご支援、ご指導を賜わり厚く御礼申し上げます。

 一昨年に続き昨年もコロナ禍に振り回された一年ではありましたが、なんとか収束に向かってくれることを心から祈る次第です。

 モノづくり産業においても、昨年の春以降かなり力強さも戻り、生産量も順調に増えています。

 しかし、一方で、半導体の不足や東南アジアでコロナのために生産減となった材料や部品の不足が顕著になっており、落ち着くには暫くかかりそうです。

 さて、今年の予想ですが、前述した回復への動きがより本格的になることは間違いありません。当工業会の統計を見てもBBレシオが昨年の年明け以降1以上をキープしています。加えて、これまで止まっていた設備の更新需要も再開するでしょう。産業別にはこのコロナ禍でもひときわ堅調を維持している半導体産業は今後本格化する5Gの普及と共に更なる伸びを見せると予想します。また、モノづくりの代表である自動車産業も従来のパワートレイン生産の回復以外に、EV化の流れを受けた新たな需要の波が出てくるものと見ています。

 近年、モノづくり産業からは品質の作りこみに対する要求が高まっています。つまり、作ってから良不良を確認するのではなく、良品のみを作り不良を作らないと言うことです。

 従来は生産ラインから抜き取とった製品を検査室で測定して品質を確認してきましたが、今後は生産ラインの中で全数に近い数量を測定してそのデータを生産ラインへフィードバックすることが求められています。これを実現するには計測機の自動化や高速化、耐環境性の向上などやるべきことがたくさんあります。また、現場環境でのトレーサビリティの確立や不確かさを考慮した規格も必要です。

 当工業会としては世の中のニーズを先取りした活動をして、日本のモノづくりが世界で活躍できるようバックアップして行きたいと考えております。

 最後になりましたが、今年こそ新型コロナウイルス感染症が終息し、皆様が安心した生活を取り戻し、さらに日本のモノづくり産業の飛躍の年となることを祈念申し上げ、年頭のあいさつとさせていただきます。

 今年も皆様のご多幸とご隆盛をお祈り申し上げます。

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高速・非接触でさらなる高品質への寄与
日本光学測定機工業会会長  浜田智秀

 明けましておめでとうございます。謹んで新春のごあいさつを申し上げます。平素より関係者の皆様には日本光学測定機工業会の活動に、ご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により産業界全体が冷え込んだ状況から、年初より徐々に需要回復の傾向が見られました。しかしながら半導体・樹脂などの材料不足により本格的な回復までには至っておりません。このような中10月に開催した測定計測展2021は、コロナ前の前回よりは減少したものの多数の積極的なお客様にご来場いただき、成功裏に終了することができました。関係の皆様に改めて感謝申し上げます。

 さて、自動車産業は電動化、自動運転化などに向けた大変革が起こっています。人命に係る部品を扱うため、品質に関する要求がより厳格となり、全数検査も求められます。これまで検査や分析は専用の施設で行うことが一般的でしたが、これからは生産ラインに近いところで常時分析しながら生産することが必要となってきます。

 また、国内では労働人口の減少もあり、生産性の向上に向けた取り組みがますます加速していくと考えられます。省人化してビジネスを持続的に成長させたいという流れが起こっています。

 高速に大量のデータを取得できる光学計測は、そうした生産活動を支える検査や分析の高度化、効率化に貢献できると考えています。

 当工業会では見えないものを見えるようにするだけでなく、定性的なものを定量化できるよう活動を続けています。光学測定機が得意とする可視光領域に加え、エックス線や赤外線、さらにはテラヘルツ波などの不可視光を使用することによってこれまで検出困難であったものを数値化し、さらに高速かつ大量な計測データを瞬時に取得することを可能としており、これまで見逃していた現象・事象の把握だけでなく評価方法の確立をも推し進めてきています。

 加えて、検査・測定・計測の自動化、省力化をなお一層進化させ、製品・部品の良否判定だけでなく、スピードディに工程改善へのフィードバックなどを可能とし更なる高品質をも具現化します。

 人間の恣意やバラツキ、不確かさの入る余地がない品質保証、信頼性、ひいては安全、安心を実現する世界へ向けて今後も新たな提案を継続することで、SDGsESGに貢献し、皆様の企業価値向上に繋げるためのお役に立てると確信しています。厳しい競争に勝ち抜き社会へ貢献する企業の皆様と共に、さらに成長するため精進して参ります。

 劇的に変わりゆくこのような時代にめぐりあえたことを幸せだと感じ、産業の発展へ寄与できる機会に恵まれたことをこの上ない喜びと考えております。これまで以上に関係各位の皆様との連携を深め、皆様方の課題解決を図るだけでなくイノベーションのお手伝いができるよう取り組みます。

 ダイナミックでスピード感のある大きな時代変化の流れの中、それに呼応する形で、光学に基づく切り口を武器に非破壊・非接触型測定機を主としたリアルタイムな光学測定技術を深化させ、あらゆる課題を見える化・顕在化させることによって素晴らしいモノづくり、コトづくりを実現してゆきますので、今年もよろしくお願い申し上げます。

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■2022年1月1日 3363号・3364号・3365号に掲載

 

計量制度を確実に運用 現場の声を聞き課題解決
経済産業省産業技術環境局計量行政室長 大崎美洋

 2022年(令和4年)の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

  昨年は、一昨年に引き続き、新型コロナウイルスが猛威を振るい、新たな変異株の登場など、依然として我が国の経済は楽観を許しませんが、ワクチンの普及により徐々に国内経済活動の正常化が進んでいます。そうした中、コロナ危機によってテレワークやオンライン会議等が急速に普及し、働く人々の生活様式が新しいものとなりました。皆様の中にも、出張することなしに、オンラインを利用して遠方のクライアントと打合せを行ったことのある方が多いのではないでしょうか。計量行政室としても、地方自治体の協力を得ながら、デジタル化の一歩として、一部の手続きのオンライン申請の受付を開始したところですが、今後も計量行政の中にデジタル化を普及させるべく努力していきたいと思います。

  こうした経済・社会の変化の中でも、計量制度は我が国経済・産業の根底を支える重要な基盤として、確実に運用していくことが重要です。計量行政室では、国際的な技術基準の動向、取引形態等の変化などを踏まえ、皆様の貴重なご意見を拝聴しながら、各種の制度改革を一層進めていきたいと考えています。

  国際的な動きへの対応としては、国際法定計量機関(OIML)において策定される各種計量器に関する国際勧告案に対して我が国として精力的に議論を進めたり、メートル条約に基づく国際的な計量単位の統一の検討や計量標準の開発に積極的に参加・提案を行ったりと各種関係機関・団体の皆様のご協力を得つつ、適切に対応してまいります。さらには、適正計量の確保のみならず、海外の計量制度に関する先進事例や市場動向の把握に努めることで、より合理的な制度・運用の検討や海外関係機関との交流等、計量機器業界のさらなる発展にも貢献して参りたいと考えております。

  計量という社会基盤を、国内外の変化に適切に対応しながら、国民に対して実効的・持続的に提供していくためには、地方自治体や計量関係団体・企業等、関係の皆様方との連携・協力が不可欠です。昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、地方自治体や計量関係団体会議が中止や書面開催等になったため、直接ご意見をお伺いする機会が少なかったですが、本年は現場の皆様の議論に積極的に参加させていただき、計量制度がこれからも、経済や国民生活の基盤としての社会的な役割を適切に果たしていけるよう、それぞれが抱える課題の解決に向けて共に進んで行くことができるような1年となることを期待しています。

  最後になりましたが、新たな年が皆様方にとって輝かしい年となりますとともに、皆様方のますますのご健勝とご活躍を祈念いたしまして、私の新年のごあいさつとさせていただきます。


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今を支え、未来へつなぐ計量標準
産業技術総合研究所計量標準総合センター長 臼田 孝

 2022年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。皆様及びご家族がご健勝であられることを心から祈念しております。また平素より産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)の活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も皆様のご健勝とご繁栄を祈念いたしますとともに、引き続き、ご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

  新型コロナウイルス感染症(COVID―19)禍中での年明けも2回目となり、長期化するCOVID―19の影響による様々な変化、新たな日常の中、皆様のご心労も多々おありかと拝察いたします。罹患され、現在も治療生活を余儀なくされている皆様、感染拡大の影響を受け、生活や事業において多大な困難に直面されている皆様に心からお見舞い申し上げます。また、過酷な状況の中、我々の日常を支えるべく、日々働いておられる医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様には、心より感謝申し上げます。

 昨年は東京オリンピックも無観客での開催となるなどの状況の中、ワクチンの接種加速により明るい兆しが見えてまいりました。幸い国内では大きく状況が改善されたところですが、変異株の出現など、依然予断を許さぬ状況にあります。ワクチンの世界的普及や各国市民の防疫意識の高まりから、一日も早く終息に向かうことを心から願うばかりです。

  このような状況ではございますが、昨年NMIJは、各位のご理解、協力により基準器検査、校正・依頼試験、標準物質の頒布については、概ね支障なく進めることができました。また、計量研修については、十分な感染症対策を行い、規模を縮小しつつではございますが、継続することができました。関係各位には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

  一方で、一昨年に続き、NMIJでも講演会や計測クラブおよび国際会議など、多くのイベントがオンラインでの開催を余儀なくされました。コロナ禍による、あるいはコロナ禍が加速させたオンラインでの会議やイベント開催は、一部新たな日常として定着しつつあります。

  オンライン開催は、主催側にとって会場の準備などが不要で、参加者も移動の必要がなく全国各地から参加が可能など、それぞれのペースで開催や参加ができるメリットがあります。一方、意思の疎通が図りにくく雰囲気がつかみづらいといった点、通信状況や機器の影響を受けたり、セキュリティの問題、ITリテラシーも必要になる場合もあります。また、オンラインでは会議等以外の時間での交流の機会が少なく、お互いの信頼関係を築きにくいことなども感じられ、アフターコロナに向け、オンラインや対面におけるメリットやデメリットを考慮した会議やイベントの開催が必要と考える1年でもありました。

  ニューノーマル、withコロナ、といった言葉も使われていますが、この大きな社会変容の中で、変わらぬ共通の基盤として社会を支える計量標準の維持、供給のため、そして次の世代のために、新たな時代を切り開くための変化、進歩が求められています。

  NMIJとしましては、アフターコロナの社会も見据えて、今後の社会変化にも対応しうるよう、オンラインによる情報提供を充実しつつ、社会の基盤を支える国家計量標準機関として、その職責を果たすよう、さらには技術革新に寄与すべく、取り組んでまいりたいと思います。

  最後になりましたが本年もNMIJに対する一層のお力添えを賜りますようお願いするとともに、皆様方のご多幸とご健康、COVID―19の一日も早い終息を祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。


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勇猛果敢に挑戦することの意義
東京都計量検定所長 戸澤 互

 新年あけましておめでとうございます。  

 日頃から東京都の計量行政に格別のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。  

 昨年を振り返ると、新型コロナウイルスの影響により活動制限を余儀なくされ、経済的にも精神的にも大変厳しい一年だったかと思います。働き方改革の一手段としてのテレワークが、密な状態を回避するための方策として推奨された中、多くの事業者が実践し、人流の大幅な削減に繋がりました。  

しかしながら、テレワークに必ずしも馴染まない職種や職務があることが浮き彫りとなるとともに、可能であってもその効率性が対面に比べて劣るという調査結果も出るなど、負の側面も指摘されているようです。

  今後のICT技術の一層の進展やジョブ型雇用の拡大等により、テレワークの欠点が克服され、その普及が図られることを期待したいと思います。

  このような状況のもと、昨年の明るいニュースと言えば、無観客ながらオリンピック・パラリンピックが開催され、アスリートの活躍が世界の人々に感動と勇気を与えたことです。

  コロナ禍により開催自体が危ぶまれる中、モチベーションを維持し、血の滲む努力を重ねてきたアスリートの姿には深く心動かされました。今般、新たに採用された競技にスポーツクライミングがありましたが、その場でコースを初めて見た各国のアスリート達が、どういうルートをどのように登っていくかを意見交換しているシーンには些か驚かされました。

  従来の競技であれば、戦術は秘密事項であり、それを授けるのは直属のコーチやスタッフの役割かと思いますが、スポーツのあり方にも変化が出てきているのかも知れません。

  大リーグの二刀流大谷翔平選手が満場一致でMVP・最優秀選手に選出されたことも明るいニュースでした。現代の野球では高度に専門化と分極化が進んでいるため、ピッチャーと野手は異なった練習メニューに取り組むことから、二刀流は実現不可能というのが定説だったそうです。  元々素質に恵まれていたという面はあるのでしょうが、大谷選手はスポーツ科学の最新の知見を取り入れ、投打のフォームを随時見直したり、スポーツメーカーと協働で道具の改良を行ったりするなどさまざまな創意工夫を重ね、走攻守同時にトップレベルに達しました。

  この大谷選手の偉業は、二刀流は不可能という既成概念を打破したものであり、常識的は発想に囚われがちな我々に対し、勇猛果敢に挑戦することの意義を再認識させたのではないでしょうか。

  社会・産業構造に変化を促すものとして俄かにトレンドとなっているのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。国においてはデジタル庁が新たに発足し、省庁の垣根を超えた司令塔として、諸外国に比べて周回遅れのDXを強力に推進していくことが期待されています。

  当計量検定所におきましてもDXの取組に本腰を入れてきており、各種申請書類の電子化を順次進めていますので、引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。


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社会の発展を促す強固な信頼性の基盤形成の一翼を担って
製品評価技術基盤機構認定センター所長 坂元耕三

 慎んで新年のごあいさつを申しあげます。

  計量産業や計測技術は、生活や産業を支える重要な役割を担っています。社会ニーズや消費動向が激しく変化する時代ですが、だからこそ計量産業や計測技術が強固な技術基盤となって安心安全な生活や技術の革新を支える、そのような局面が随所でさらに見られるような飛躍の年を期待しております。

  さて、NITE認定センターは、いわゆる適合性評価(conformity assessment)という広い概念の中でも『認定(accreditation)』に注力して業務を展開しております。この認定活動を取り巻く近況は千変万化で、多種多様な事象への対応が必要なだけでなく、迅速かつ柔軟な対応が求められています。昨年を振り返るとさまざまな動きに直面しました。  たとえば、新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、独自の認定制度「ASNITE」で、国際・海外規格に基づく抗ウイルス性試験の試験所認定プログラムを新たに立ち上げ、試験所の国内初の認定を行いました。

  加えて、ソフトウェア評価を行う試験所や電気自動車の音響関連の校正機関の国内初めての登録・認定も行いました。

  また、ウイルス対策を徹底するため、申請手続きの電子化や遠隔審査の活用などを行いました。  さらにまた、昨年の10月1日に、日本適合性認定協会(JAB)と基本活動の包括連携の協定を締結したうえで、合同で審査員研修を共催しました。

  いずれも小さな一歩という捉え方も出来ますが、進展する技術への適応や人材の確保・育成といった社会的な意義では、大きな意義があったと評価しております。

  今年もさまざまな動きに直面する必要があると認識しておりますが、NITEが認定制度の担い手となって29年になります。来年に迎える30周年の節目を視野に入れ、歴史をしっかり顧みつつ新しい時代の要請を掴みながら、必要な措置を積極的に講じてまいります。

  たとえば、地球環境問題やセキュリティ技術は積極的に意識しつつ、現在活動中の「品質チェーン構築のための適合性評価制度研究会」の結果や、NITEに新設した組織の総合力を投入する「チームNITE」の活動を踏まえ、時代に合致した認定プログラムをタイムリーに創設してまいります。

  また同時に、外国の関連動向や国内の認定情報はしっかりと情報発信してまいります。

  さらにまた、事業の選択と集中、国研や民間の試験・校正機関といった外部機関との業務連携強化、業務の改善やIT対応は不断なく検討し、より信頼性のある認定制度とより権威ある認定審査を心がけ、より安心安全な経済社会の構築の一翼となれるよう努力してまいります。「NITEでないと」と叱咤激励される機会を一つでも多く作ってまいります。

  「光陰矢のごとし」は絶妙な表現で、私自身、あれこれ思考を巡らしているうちに、丑年が終わってしまった感があります。今年は、自らが直視した15年前の海外認証機関のグローバル化や、30年前の米国試験所認定制度の動きに対し、初動対応の重要さを痛感させられた苦い経験を常に意識し、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」を胸に、世界の動きに合致した認定業務の推進に取り組んでいきたいと考えております。

  世界には、試験(testing)、検査(inspection)及び認証(certification)というTIC産業といった概念が顕著で、経年的に事業規模や従業者数が著しい増加傾向あるだけではなく、適用範囲の拡大や技術内容の深化が起こっています。質と量の両面で変化が起きていますが、これらの動きの基軸には計量産業や計測技術の存在があります。

  我が国が世界の動きに乗り遅れないよう、激しく変化する社会ニーズや消費動向に対応できるよう、社会の発展を促す強固な信頼性の基盤形成の一翼を担って、微力ながら邁進してまいります。

  NITEに対する関係各位の忌憚のないご指導・ご助言をお願いいたします。

 

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ソリューションの提供と社会貢献
日本電気計器検定所理事長 豊木則行

 2022年の年頭に当たり、謹んで新年のお喜びを申し上げます。

  昨年と異なり本年は新型コロナウイルスが随分と沈静化した状況で新年を迎えることができました。コロナ禍は完全に収束したわけではなくこの先にまだ不安を残しつつも、ワクチン接種の進展や治療薬の開発で先が見える状況にあると思います。防疫と並行して傷んだ経済の立て直しとそこからの発展に力を発揮すべきときであると認識しております。

  さて、当日本電気計器検定所の状況をご説明しますと、法定業務である検定検査においては、スマートメーターの新しい技術基準(2017年改正・発行JIS)に基づく型式申請が本年4月から開始されます。  新しいJISでは電子計測器等に影響を及ぼす電磁波ノイズ、電気ノイズの試験項目の追加、またソフトウェアの保護等の追加等で試験項目が大幅に増加しています。

  この対応のために新試験棟を本社敷地内に増設し、設備を整え、試験方法を研究してきました。4月からは万全の態勢で型式承認に取り組むことができます。

  新しいスマートメーターの仕様が経済産業省の次世代スマートメーター制度検討会で議論されていますが、今後の導入スケジュールを見据えた試験設備の改造等の準備を始めます。

  また、上記型式承認試験に向けて整備したEMC試験、電気ノイズ試験、耐候試験等の設備を一般の産業製品に対する製品評価試験に向けてもご提供いたしますので、是非、広く皆様にご活用いただきたいと思います。

  次に自主業務である標準業務についてはJCSS校正のニーズに応えてサービス範囲を広げるために、特にISO/IEC17025認定校正の拡大に継続的に取り組んでおります。新規の取り組みをいくつかご紹介します。

  フラックスメーター(磁束計)については日本初の取り組みとなります。フォースゲージ、プッシュプルゲージ等の力計についても校正を開始しました。また、恒温槽・試験槽については温度に加えて相対湿度も校正可能になりました。

  上記以外の新しいサービスとしてはノギス、マイクロメーター等の測定工具(長さ測定器)の検査業務を開始し、製造業を中心としたお客様にご利用いただいております。

  日本電気計器検定所は自らの業務をサービス事業としてとらえ、お客様へのソリューションの提供とそれを通じての社会貢献を自らの価値と考えています。そのため、市場環境、技術の変化に積極的に対応していく所存です。引き続きご指導、ご鞭撻を給わりますよう、宜しくお願い申し上げます。

 末筆ながら皆様の一層のご発展とご健勝を祈念申し上げます。

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公正・中立な第三者機関としてサービスを提供
(一財)日本品質保証機構理事長 小林憲明

 2022年の新年を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

  また、日頃よりお世話になっている皆さま方に厚く御礼申し上げます。

  はじめに、新型コロナウイルス感染症にり患された皆さま、感染拡大により生活に影響を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。全世界に拡大した新型コロナウイルスは変異しつつ、引き続き国内外の経済活動に大きな影響を及ぼしています。当機構の事業も少なからず影響を受けており、このような状況が改善し、一日も早くこのコロナ禍が収束することを祈るばかりです。

  さて、当機構で行っているさまざまな第三者認証事業のうち、計測器の校正は、このような状況下においても自動車業界や航空機業界などではニーズが拡大しており、社会・経済インフラの一部としてますます重要度が増しております。われわれの事業は社会の安全・安心の確立に必要とされているものであり、当機構が重要な使命を負っていることを強く感じております。

  当機構は、従来からISO/IEC17025に基づく認定校正事業を中心に行っており、国家計量標準へのトレーサビリティを確立した信頼性の高い校正サービスを提供しています。これらの校正サービスは、長さ、質量、電気等の基本量はもとより、さらに広い分野や組立量へも着々とその範囲を広げています。

  昨年は新たな取り組みとして、校正分野では国内初のISO/IEC17043の要求事項を満たす機関として認定を取得し、技能試験プロバイダ業務を開始しました。また、次回校正案内サービスや、ウェブを活用した計測セミナーなどについても、お客さまに大変ご好評をいただいております。

  また、昨年5月、愛知県北名古屋市において、これまでの中部試験センターを移転拡大し、これまでのおよそ3倍となる、地上3階建て、延べ床面積5060平方mの建屋で業務を開始しました。計測器に関わる業務については、新たに中部地区での電子計測器の校正を開始しました。

  これにより、これまで2カ所に分かれていた計測器の校正等の業務を1カ所に集約し、お客さまの利便性をはかるとともに、拡大する校正ニーズに対応できる設備を整えました。さらに、同センターにおいて車載機器に関するEMC試験業務を開始し、車載機器専用暗室3基ならびに中部地区初となるリバブレーションチャンバーなどの最新設備を導入しました。

  今後のEV/HEV化をはじめとした自動車産業における急速な電子化や、ADASや自動運転に代表される高度な技術発展に伴うお客さまの多様化する試験・評価ニーズにお応えしてまいります。

  そのほか、計量法に基づく指定検定機関として、特定計量器のうちの環境計量器の検定業務も実施しており、これらの特定計量器の一部については、新しい技術基準に対応した型式承認試験を開始しました。  当機構は、産業界や社会のニーズに応えるため、第三者機関として公正・中立な立場でサービスを提供するだけでなく、これからも新たな技術を用いた校正サービスを確実に提供できるよう、より一層努力していく所存です。本年も引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

  最後になりましたが、皆さまのますますのご健勝を心から祈念申し上げます。

 

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状況の変化に対応する事業の進め方を
(一社)日本計量振興協会会長 鍋島孝敏

 

 新たな年を迎えるに当たり謹んで新春のごあいさつを申し上げます。

 

 平素は、郵政計量管理事業、試験校正事業、計量普及啓発事業、研修事業及び各種部会・委員会等の事業活動を通して、当会の事業に多大なご支援ご協力を賜り誠にありがとうございます。この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 昨年は、一昨年に続き新型コロナウィルスの感染が世界中に広まり、経済社会に大きな影響を与え、我が国においても昨年1年を通して、国全体が、感染防止対策と経済の打撃からの立ち直り策に終始し、国の主な行事も中止、または延期になりました。それでも東京オリンピックは観客を制限して開催され、9月以降はワクチン接種が進んだこともあり感染者が急減しましたが、オミクロン株等の影響の懸念もあり予断を許さない状況は続きそうです。

 計量界も同様な影響を受け、総会や理事会及び計量士全国大会や計量記念日全国大会、地区計量連絡協議会等の集会が軒並み中止や縮小開催という状況を強いられることになり、協議や検討会議等の審議の場が減ったことは残念に思います。

 昨年の当会の主力事業においては、研修事業が平年に比べ3割減の件数となりましたが、郵政計量管理事業や校正事業等主力事業は比較的に影響が少なく順調に推移しました。

 コロナ禍においては、協議会・部会・委員等のリモート会議や認定校正のリモート審査等リモート開催が日常的となり、今年もその流れは継続することになると思われ、また、今後デジタル化を指向することと合わせ業務の効率化や経費節減を図っていくことが重要であると考えます。

 本年、自動はかりの検定制度への取り組みにおいては、指定検定機関に関する関係者との意見交換・調整を継続して推進することや、検定を実施する計量士養成のための技術講習会を全国に展開すること及び自動はかりメーカーとの計量士の派遣に関する具体的な取り組みを進めていきたいと思います。

 

 また、自動はかりの使用現場における計量管理実施事例の調査・分析を進め計量士による新しい計量管理の在り方を追求していきたいと考えています。

 計量のグローバル化という観点においては、ISO9000(品質管理システム)、ISO17025(試験校正機関の能力認定)、ISO17020(検査機関の能力基準)、ISO10012(計測管理システム)、TS16949(自動車産業の品質システム)等の国際計量関連規格に関する技術講習会を企画開催し、計量士をはじめ計量技術者の視野の拡大を図っていきたいと考えています。

 また、計量界の喫緊の共通課題である計量士の育成・確保に関しましても、関連機関や企業及び団体の方々と協議の場を作り、良い事例を紹介し合い水平展開することにより、少しずつ有効な対応策につなげていくことが重要です。

 本年以降、コロナ変異種株に対応するワクチンにより集団免疫が達成され、感染が収束に向かい、計量界を含め日本経済が徐々に平常に戻ってくることを切に期待したいと思います。

 本年も役職員一同、関係方面の方々のご支援により充実した活動をしていく所存でございますので、昨年同様に関係各位のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。皆様方のご健勝とご発展を祈念いたしまして年頭のあいさつとさせていただきます。

 

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多様な最新情報を発信
(一社)日本分析機器工業会会長 中本 晃

 2022年の新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

  昨年は、新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、人々の生活や経済活動に甚大な影響を与えた年でした。

  一方、国内では緊急事態宣言が解除された昨秋以降は感染者数が低位で推移しており、経済活動も活性化の方向に向かっています。  このような中、分析機器の2021年度上半期の生産高は2725億円、前年比103%、輸出高は2007億円、同101%と回復基調にあります。

  下期以降も回復傾向が継続することを期待していますが、国内製造業にとっては、感染症以外にも、半導体など部品の不足、原油高や円安による輸入物価上昇などの懸念材料があり、予断を許さない状況が続くものと思われます。

  さて、弊会の主たる事業である分析・科学機器総合展JASIS2021は昨年11月に千葉市幕張メッセで3日間の会期を目標通りに終えることができ、また来場者も昨年比2割増の約8500名となりました。これもひとえに来場いただいた皆様と出展社並びに関係各位のご支援のおかげであり、心より御礼申し上げます。

  5年目となりましたWeb上の展示会であるJASIS Web Expoは、会場にお越しになれない方の為に大幅に内容を拡充し、約100の企業・機関の出展と、JASIS2021の人気講演・セミナー約80タイトルの動画などを掲載して、2022年3月15日まで開催しておりますので、是非ご視聴ください。

  また、今年のJASIS2022は、9月7〜9日に同じく幕張メッセで開催する予定です。一層充実したJASISとなるように努めてまいりますので、多くの方々のご来場をお待ち申し上げます。

  コロナ禍により多くの展示会が多大な影響を受けている中で、JASISは、科学技術の発展と関連する業界の振興に寄与するために、今後とも分析・科学機器のユーザーに、多様な最新情報が発信できるよう努めてまいります。

  2022年が皆様にとりまして大きな飛躍の年になることをお祈り申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。

 

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感染対策を徹底して9月にインターメジャーを開催
(一社)日本計量機器工業連合会会長 田中義一

 2022年の年頭にあたり謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

  2021年の本会を取り巻く状況を振り返りますと、2020年初頭から世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症への対策に終始した1年間でありました。

  国内産業では、新型コロナ感染拡大に伴う東南アジアにおけるロックダウンの影響を受け、半導体部品の供給不足に伴う電子部品等の納期遅れが発生し、基幹産業のサプライチェーンが寸断され、工業製品全般の生産活動の停滞に追い込まれました。また、人流の抑制策により交通・サービス産業は、壊滅的なダメージを負った年になりました。

  国際的な動きでは、米中間の人権問題を発端とする地政学的な情勢をめぐる不透明感、さらには貿易摩擦も激化し、経済成長に急ブレーキがかかりました。一方、RCEP、TPP等の巨大経済圏による自由貿易協定が相次いで締結されました。特に我が国にとり、初めて中国との自由貿易協定が締結されるなど、今後のビジネス拡大に期待を持てる話題もありました。

  そのような中、計量計測機器産業界は、概ね2020年を上回る生産量を確保することができ、会員各社では底を脱したとの認識で一致しています。しかし、リーマンショック後として最高益を記録した2018年度生産実績には届いておらず、回復の道半ばであるとの見方をしています。また、半導体、情報通信機器業界において、5Gの実用化を前にIoT、AIなどのデジタル技術を実装した製品需要が旺盛であったことから、生産活動に活用される一部の計量計測機器の需要が拡大するなど、業種間での好・不況の濃淡がはっきり出た年でもありました。

  しかし、半導体部品の供給遅れは年後半になっても長期間の納期遅れが発生し、業績回復への足かせともなってきています。加えて、新型コロナウイルス感染症もオミクロン株といった新規変異株の発生により、感染拡大への警戒感から社会活動の自粛が求められるなど、2021年の状況に戻ってしまうのではないかとの懸念も広がってきております。

  このような中ではありますが、本会(計工連)の2022年度事業では、会員の皆様とともに積極的な事業展開してまいります。

  政府が進める国土強靭化計画、デジタルトランスフォーメーション、次世代ヘルスケア等の新産業創出や、会員各社が取り組む環境問題について、最新の計量・計測技術を紹介する機会の提供、SDGsで掲げるカーボンニュートラル、グリーン社会の実現に向けた様々な技術開発支援事業を展開します。

  また、一層のグローバル化への取り組みとして、欧州、中国、米国等の計量器団体と連携し、積極的に計量計測機器に係る国際標準化活動を展開し、併せてJIS等の国内標準化につなげてまいります。

  新市場開発事業では、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、新エネルギー利用技術で活用が期待される計量計測機器とセンサの需要動向調査等を積極的に行い、会員の研究、新製品開発につなげるための支援を行います。加えて、本会が刊行する自動はかりマニュアル、流量計マニュアルなどの刊行を推し進め、さらなる市場の拡大を図りつつ、計量計測機器をご使用いただくユーザの方々へのサービスに資する事業を展開するとともに、研修、セミナーではWEBの活用により、聴講者の拡大も取り組みます。

  本年9月に開催する展示会INTERMEASURE2022では、「はかる・調べるフォーラム」という総称を冠し、第11回総合検査機器展、SENSOR EXPO JAPAN 2022、SUBSEA TECH JAPAN 2022との4展合同開催を実現させ、より多くの製品情報を提供するとともに、生産品の需要拡大に資するべく、開催にあたっては十分な新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じ、多くの来場者が安心して参加できる展示会といたします。

  最後になりましたが、本年もなお一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして新年のごあいさつとさせていただきます。

 

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科学機器を通じて科学技術・イノベーションの発展に貢献
 (一社)日本科学機機協会会長 矢澤英人

 新年明けましておめでとうございます。

  本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  新型コロナウイルス感染症の懸念を抱きながら迎えた3回目の新年となりました。感染者数は低い段階で抑えられているもののオミクロン株に対する水際対策強化のため、いまだ国際的な人の往来による経済活動の制限は続いております。一日も早い収束を願うしだいです。

  さて、科学機器業界は、あらゆる領域の研究開発や生産技術を支援する産業でございます。とりわけ昨年は「感染症対策」を重要な領域として貢献しました。

  ワクチンを保管する冷凍庫といった実用的な機器から、新型コロナウイルス感染症の病態解明や治療薬開発に用いられる機器等、多くの科学機器が必要とされたものと思います。

  旧年に岸田総理大臣は所信表明演説において「新しい資本主義の実現」を掲げ、成長戦略の第一の柱として「科学技術立国の実現」を示しました。

  その中で、「大学の学部や修士・博士課程の再編、拡充など科学技術分野の人材育成を促進します。世界最高水準の研究大学を形成するため、十兆円規模の大学ファンドを年度内に設置します。デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行います。民間企業が行う未来への投資を全力で応援する税制を実現していきます」と述べており、「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげる、クリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします」と結んでいました。

  我々科学機器業界は、科学技術立国実現の下支えをすることは業界の使命と考えており、本年も引き続き科学技術・イノベーションの発展に貢献して参る所存です。

  本年は、科学機器・分析機器の総合展示会である「JASIS2022」を9月7日(水)から9日(金)までの3日間、幕張メッセで開催いたします。JASIS開催を通じて、日本の研究開発と生産技術の発展に貢献して参ります。また、JASISと並ぶ業界の二大事業である、「科学・分析機器総覧2023」を本年も発行いたします。印刷版とDVDの発行及びWEBで展開しており、JASIS2022にて印刷版とDVDを無料配布いたします。

  皆様には、引き続き本会と本会の活動に対するご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。

 

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