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日本計量新報 2010年4月11日 (2817号)

努力によって生産されたモノは売れ、努力した者が報われる

インターネットは、用語検索機能の発達によって利便性が飛躍的に向上した。ヤフーがその機能を開発して普及を図る間に、グーグルがもっと優れた機能で参入して、現在はグーグルがインターネットの用語検索機能サイトの主流となろうとしている。
 検索サイトが持つ情報伝達能力が大きな力を持つがゆえに、中国政府は、政府批判や国に不利になる情報が流出することを恐れグーグルに検閲など多くの禁忌事項を求めてきた。しかし、グーグル側は検閲を設けて検索サイトを運営することを拒否し、中国における検索サイトの停止を決定した。
 電子メールやブログ、いま流行のツイッター(ユーザーが「つぶやき」を投稿するコミュニケーションサイト)はインターネットを利用したものである。webことワールド・ワイド・ウェブもインターネットだ。無線や有線の情報通信のほとんどを占めるほどインターネットが普及し、企業の事業活動、個人の生活その他に深く組み込まれている。国語辞書、和英辞書についても、インターネットの辞書機能を利用する人々が非常に多い。知識に関しても同じである。少し複雑な物事を調べるのにもインターネットを利用する。
商品を買い求める場合には、インターネット上の店やそこで販売している商品の内容と価格を調査することが多い。
 調べてみると、欲しい商品が他より安い価格で売られていることに気づき、同じ商品を1割以上安く買うことができるということはよくあることである。この調査を通じて近くの店で買おうとする商品が他より高すぎることがないことを知れば、迷いなく購入の段取りとなる。
 物事は、調べればさらに次の段階の知識が得られ、その先に進めばさらに新たな知識の段階に突入するようになっている。そこで心しておかなければならないのは、何を調べるかということである。知識は知識とつながって、果てしなく知識の世界が広がっていくからである。

 計量計測機器産業においても、あらゆる商品がそれぞれに価格を設定されて、インターネットの世界に登場している。購買者は企業の知名度やそれにともなう信頼度によって商品選択をする場合もあるし、同じ商品の価格に差があれば、安いモノを選択して購入することもある。
 中国政府は特定情報を排除したり、検閲を強いたりと情報を政府の意思に沿った形にしようとしている。しかし、インターネットの世界での商品価格は、一般市場と同じように限りなく低い方向に誘導される。良いモノは高く売れる。同じモノなら安い値段のモノが売れる。
 売る側にとっては、安く作れるようにすること、安く仕入れることができるよう努力することが肝要である。安く作って高く売れることに越したことはない。安く仕入れて高く売れることに越したことはない。
 アダム・スミスが示した商品世界と価格の関係は、現代にも生きており、需要と供給は自然に調節される。調節の前提になっているのは、努力によって生産されたモノは売れ、努力した者が報われるということである。

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