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日本計量新報 2012年10月28日 (2939号) |
被災後1年半、漁港のハカリが復活劇を象徴被災後1年半が経過して釜石市の親元を訪れた人は、被災直後にきたときと今と何も変わっていないのには驚き、落胆もしたとNHKテレビの取材に応じていた。この夏に被災地を訪れた人の多くは同じ感想を抱くようであり、被災地の概観は被災1カ月後と変わらない状況である。地震と津波と連動する火事によって破壊された町並みは、家などの破損物が撤去され、散乱した流出物が取り除かれただけであり、2度目の盆を迎えた街には人が少なく、走る車は他所からきた輸送車程度である。テレビでは復興予算の執行がこれから始まり、復興の槌音が響き出す、と報道しているが、これは関係する役所の側にたったものであり、真夏の炎天下に小さな応急住宅に閉じ込められ、働きたくても仕事はなく、3度の食事もままならない被災者は少なくない。国会議員が被災地の三陸沿岸をつぶさに見て回ることをすれば、被災からの復興に政治が遅れたり機能しないといった状況が少しでも改善されると思われるが、国会議員の多くは被災地の現状認識が疎い。このことは福島原発事故にそのまま当てはまる。 |
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