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日本計量新報 2013年9月29日 (2981号)

計量の証明に属する体重の計測用には検定付きのハカリを使用する

あることを調べていたらJISになって載っているという。そのJISを閲覧するためには図書を買うなどの費用が要る。その関係の図書などの費用は手が出しにくいほどであるうえに、読んでも理解するのに骨が折れる。役所のなかの一部の専門家だけが理解できるような内容であることが多いという事情があるようだ。読めばわかるかもしれないが、多くの人は読んでもわからない。法律やその関係法令を調べて理解しようとすると同じようなことになる。それを経験などをつうじて理解し、日ごろの業務としていても、そのことを説明する文章を書こうとすると、用語の使用を含めてどこかに文章にはボロが出て、まとめ上げることができないのが普通である。
 計量法の世界では、計量事務が自治事務になったことと相まって、地方公共団体の担当職員が、計量法を理解して実務を無難にこなすことができるかというと、その職員が受けた教育や訓練の状態からすると、はたしてどうだろうと、いう言い方になる。県などの計量担当の職員でも専門の教育を受けて知識と技術的な実務を身につけた者が少なくなっている状態であるから、この県に所在する特例市などの担当職員のこの方面の知識と技術となったら、その内容はどのようなものであろうか。計量行政の実務に支障をきたすことがないほどには担当職員の知識と技術能力は備えられている、という公式の回答をするしかないのであろうけれども、その実態はいかほどであろうか。
 新しく特例市になったある市では、病院や学校などでの体重測定が計量の証明に該当することが多いことから、検定証印付きか基準適合証印付きの体重計に取り替えるように話をしており、この方面の知識のなかった病院や学校では、説明を理解して早速に取り替えたり、追加設置することをしている。薬局の調剤用ハカリについても同じようなことをしており、使用者の対応は好意的であり円滑であるという。使用者向けには取引証明などに関する説明をした簡便な案内書が渡されることが大事である。その一方で、特例市などの計量行政の実務経験の浅い職員向けには、関係の業務を手軽に理解できるような手引き書などがあるとよいのではないか。
 ある地方公共団体は体重などの計測と管理の促進のために、検定証印や基準適合証印付きでないハカリを設置するように、病院や学校に要請したという。これなどは知識の問題であり、はじめにこの知識に間違いがあると、計量法に抵触する計量がおこなわれることになってしまう。取引と証明に関係する質量の計量には、検定証印や基準認証マーク付きのものを使わなければならないが、こうした知識は広くは普及していない。技術論として述べると、検定証印や基準適合証印付きのハカリ(質量計)だからといって、より正確でより精密であるということにはなっていない。その方面に使用するのに適当な性能であり、きめられた精度が出ていることが証明されたハカリである。

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