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日本計量新報 2014年2月2日 (2997号)

普通にみていればハカリの定期検査はよく実施されている

松の内がすぎたところで京都とその周辺にでかけた。京都御所の路地を北の方へいった出町付近の商店で買い物をする。唇に紅をぬり眉をひいて正月用に化粧した地蔵さんの姿に京都の人情をみる。すこしいくと豆屋となりに和菓子屋があり、その先には珈琲豆専門店があって道の反対側には写真屋が、その付近に特定郵便局もあったので、このすべてで買い物などをの用を足した。丹波の黒豆を遅ればせに煮ようということでこれを買い、宿でくつろぐために和菓子と珈琲を買う。電子メールで送ったデジタル画像が開けないというので、その画像を紙に焼く、郵便局でお金を引き出す、といったことをしていた。
 豆屋にはホンダのスーパーカブ90ccがていねいに豆台のとなりに置いてあり、距離計は2万kmを超えているが商品の豆と同じように扱われているので、買ったままと同じ状態だ。豆屋には針がグルグル回るダイヤル式のハカリが店の一番よい場所に、店の端っこには錘(すい)を動かして使う規格台秤が2台あった。神だなには大きいのと中くらいのと合わせて3つの樽型の計量枡がのっていた。枡樽には彦根の刻印がある。そういえば彦根にはそのような仕事をする事業者があった。
 珈琲豆屋では電光表示式のデジタル料金ハカリが使われていた。LC−21NEOという表記があり、豆屋のダイヤル式のハカリとともにご当地の企業のものであった。デジタル料金ハカリは25年ほどは使っているということで、定期検査を受検した証明の証印が付してあり、ほかのハカリも同様である。特定郵便局の荷受け台にも何台かのハカリがあり、これも定期検査を受けていた。
 和菓子屋と写真屋にはハカリはなかった。和菓子屋は練り物するときにハカリを使用するのであろうが、ここで使うハカリは取引・証明用ではないので計量法の規定の検定や定期検査の受検義務の対象外である。写真屋は創業80年になるのだが一時はカメラ屋だった面影が残る。デジカメからのプリントを10分ほどで仕上げるサービスをしている。フィルムカメラの現像の依頼は30人に一人程度という。実際にはそれよりも少ないのだろう。
 大阪の万博には商店街でバスを仕立てて見物をしたのだという珈琲豆屋の店主は、そのときに買ったという牙がもげたゾウの像をみせた。昔はこの商店街は賑やかだったという、商店街にはお茶屋があり、スポーツ用品店があり、伊藤ハムの看板をだした肉屋があった。お茶屋と肉屋にはハカリが置いてあり、検査を受けた証印を付していた。宿での夕食のために錦市場で食い物を買うのであるが、ここでもハカリは店の看板のように良い場所におかれて使われていた。
 珈琲豆店の店主は、昔は賑やかだったという。錦市場の店舗を観察すると昨年と今年では出店の店舗が違い、5年前と比べると随分と違っている。商売は生きており、その商売をする店舗が変わるのもまた当然であるのだろう。コンビニエンス・ストアにあるのは荷物取り扱いのためのハカリだ。これも取引・証明用だから検定品であり定期検査を受検する必要がある。

計量法の規定の根本はハカリの検定と定期検査の受検の義務がその使用者に課せられていて、使用者は検定品として調達したそのハカリは2年に1度の定期検査受検し、これに合格しなければならない。普通にみていればハカリの定期検査はよく実施されている。郵便局のハカリを検査するために地域を回っている計量士の目には、肉屋、八百屋、ほかで使われているハカリが定期検査を受けていない状態がみえる。「あれこれと総合すると定期検査の実施率は5割程度にとどまっている」と断言する計量士は少なくない。
 定期検査の受検義務はハカリの使用者にあり、その使用者は受検のために行動しなければならないのではあるけれども、この行動を手助けするのが、地方公共団体の計量事務の担当部署による使用者の台帳整備と定期検査受検の促しである。

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