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日本計量新報 2014年10月12日 (3029号)

計量計測機器のマイクロ通信機器との連動

60歳過ぎて、あるいは65歳を過ぎて老齢年金がそこそこに入る人は、よい。65歳になってなお働いて収入を得られる人はもっとよい。計量士の資格を有して65歳を過ぎても働いている人はしあわせである。安倍内閣のある大臣が老齢の夫婦世帯で月に5万円の収入を得られる働き口をつくるのだと、再任された後のテレビ会見で述べていた。それが難しいから課題として語ったのである。
 日本の貧困家庭は増大している。経済のしくみが労働賃金が低い国の状態が日本のそれに直結するようになっているからである。『年収300万円時代を生き抜く経済学』の著者森永卓郎氏は、正規の社員が雇用全体の4割になり、外国人の労働力をさらにいれようとする安倍内閣のもとでは、「年収100万円時代」が目前に迫っていると述べる。「少子化」と「地方創成」の名を冠する大臣名があるのは、そのことが日本の課題であるからだが、動き出した流れは対応を少し考えただけでは止まりそうもない。働く人が少なくなり、その収入が少ない状態では、個人消費がGDPの6割をも占める状態に至っているこの日本の経済の規模を大きくすることはできない。
 日本の経済がデフレから抜け出したと言えるほどの指標はそろってはいない。日銀がお金を市場に大量に入れていても、それが生産設備や社会インフラをつくる方面には回らないで、不動産と株式の購入に回る動きをしている。労働市場における求人倍率の向上を伝えているニュースはあっても、その中身は伝えない。人々が安んじてお金を使える状態は出現しておらず、気持ちは浮かない。相変わらずのタンス預金がつづき、米国が金融引き締めをしようとしているときに日銀はお札を市場に投入し続けている。円安は株高に連動するから、株価が高いことをもって好景気と簡単には言えない。
 第2次産業の製造業がGDPの2割ほどに低下しており、第3次産業が最大の割合になりその勢いに加速がついているなかで、日本の計量計測機器産業と関連する諸業務はどのような道筋で変化していくことになるか。好調な自動車産業はハイブリッドエンジンの後に、電気自動車への動きを示している。情報通信産業はスマホなどによって、新しい領域に移行している。マイクロ電子機器そしてマイクロ型の通信機器が計量計測機器と連動しあるいは連結する動きは進行している。

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