2007年10月 7日(2694号) 14日(2695号) 21日(2696号) 28日(2697号) |
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日本計量新報 2007年10月21日 (2696号) |
技術の発展は無限であり対応する社会の仕組みはいつでも遅れる計量制度は計量法を骨格として形成されており、その主な内容は計量単位の制定と計量器の検定や検査、そして計量や測定の国家標準とのつながりを確かめる校正などである。世の中の進歩の基本的な原動力は、生産力や生産性の向上である。絶えず進歩し、ときには急激に発展する生産力の向上に対応して、日本の計量制度も変化をとげてきた。農業中心の産業社会では、計量する行為と計量器は大事ではあってもそれが実施される分野は限定的であったから、計量器そのものもサシ・マス・ハカリと表現される分野と考えて差し支えない内容であり、明治期から昭和26年までの度量衡法時代には計量器の全品検定主義で対応することができた。新潟県三条市の曲尺も神奈川県小田原市の竹尺もすべて検定が実施されていたのは遠い昔のことではない。工業を中心にする産業が発展し、計量・計測機器がその種類と数量を増大させると、これまでの検査体制では追いつかないことは明白であったから、計量法令は検定や検査をする計量器の数を減らすという制限措置をとって対応してきた。 |