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日本計量新報 2009年10月4日 (2792号)

人の組織の活動は人の体の活動と同じように機能しなければならない

 ある印刷関連企業から、ときどき良い言葉が発せられる。「ワンソース・マルチユース」「印刷媒体とインターネットのクロスオーバー」がそれである。
 その企業の事業の実態がどうであるかは別にして、情報を取り扱うための基本事項を見事にワンフレーズ(一言)で表現していることに驚く。このことを行動に反映すべく、以上の2つの言葉を呪文(じゅもん)のように唱えるとよい。
 ただし、この目標を掲げている同企業のwebサイトを見てみると、実際には担当者が一人で更新しており、企業代表者を含めて他の社員はまったく関わっていない。その結果、企業のビジネス実態や将来の事業構想などがまともに語られていない不充分なwebサイトにとどまっている。
 この企業に限らず、企業からの情報発信は、まだまだ紙媒体に頼っているところが多い。しかし、これからは紙媒体のために作成した文書や資料は、web情報としても発信していくべきだ。

 web上で情報を発信する場合、皆で集めて皆で発信することができれば、その企業なり団体なりの力は大きくなる。その際重要なのは、個々の人員の目的意識である。
 ときには一定程度時間をかけて必要情報の取得をすることもあることだろうが、目的なしに情報を集めることには意味がない。目的を意識してこそ必要な情報が短時間で取得できる。目的意識が薄弱な者には、関連する重要情報は見えても聞こえてもこないので、仕事の工夫も改善もされることがない。あらかじめきちんとした1つの目的を設定し、全員が情報を発信する必要がある。
 こうしたことができるならば、「情報社会」といわれる今の社会に対して、事業と組織の構成員のすべての者の働きが有効に機能する。

 人の体は、脳や神経や筋肉や骨や内臓などで構成され、これらが有機的な連携をして生命として機能するものである。企業や人の組織にあってもこれと同じようなことであらねばならない。

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