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日本計量新報 2009年10月11日 (2793号)

顧客を満足させる計量器販売のあり方

計量器の販売にかかわる通信販売のビジネス分野が、アスクル、アマゾンなど大手通販企業ほか健康関連企業など、さまざまな企業の進出によって複層的・多面的様相を呈するとともに、活発に動いている。
 計量計測機器の製造企業および販売企業はごく当たり前の販売行動として、インターネットによる計量器販売を実施している。最近はこれに加えて、異業種の通販ビジネス企業が計量器・計測器や理化学機器などを取り扱うようになっている。中でも流通在庫が豊富な量販計量器の取り扱いでは、アスクルなどの事務機販売系の通販事業者とアマゾンが、規模の大きな事業を展開するようになった。
 量販する力がある通販事業者は、計量器のメーカーや卸・販売店などから大量仕入れをして、注文の当日に購買者に届ける仕組みを作っている。アマゾンでは短納期商品に加えて、納期に一定の日数を要することを前提に、特殊な計量器の販売もおこなっている。
 計量器の販売活動で大事なことは、商品内容を購買者に知らせること、販売対象の商品をできるだけ早く納品すること、そして使用にあたって必要な知識と場合によっては技術を伝えることである。以上のような用件を備えれば、計量器の販売の事業が実施できることになるから、計量器販売に関しては異業種であった事業者が計量器販売の事業に加わる。
 かつて計量器の小売りの主な事業者は金物店であったが、これがホームセンターに移行した。そして、インターネットの普及によって、計量器販売の一定部分をインターネット通販が占めるようになった。メーカー直販のインターネット通販、卸・販売事業者のインターネット通販が実際に行われている。ニューカマーのアスクルやアマゾンほか健康関連などの各種専門事業者による計量器のインターネット通販が、勢いを増している。
 どのような計量器販売の形態であれ、購買者・利用者に便利なものが受け入れられることになる。メーカーにしても卸・販売事業者にしても、顧客の利便のために体制を変えていく必要がある。webサイト上での懇切な商品説明と電話等での問い合わせに快く応対する通販事業は、顧客の支持を受けることになる。安い、短納期あるいは即納といったことも、顧客の利便にかなう。いつでも必要な商品をそろえていることも、顧客の利便を実現することの重要事項である。
 メーカー単独の直販だと機種・商品が限られるが、メーカーが集合していればこれが解消される。競争相手の存在を知らせない販売方法もある。だが、すべてを知らせてベストの適合商品を供給することこそ本来のあり方である。顧客にとってベストの条件を満たす可能性を大きく備えている一つの方法が、インターネット通販である。直接にインターネット通販を実施しないメーカーや卸・販売事業者であっても、関係の事業者とさまざまに連携することによって、顧客の利便を実現することができる。
 アスクルやアマゾンが計量器を販売するという思わぬ事態の進展に驚いてばかかりいないで、計量器事業にかかわる者が知恵を発揮して世の中があっと驚いて大いに喜ぶサービスを作れれば、痛快である。

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