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日本計量新報 2012年4月8日 (2912号)

インターネット世界が消えてしまうPCの故障

 企業では会計業務に使用しているコンピュータが故障して使えなくなったら業務は停止してしまう。従業員もパソコンが故障すると電子メールが使えなくなるし、社内のコンピュータとの連絡もとれず、インターネットへもつながらなくなる。電話だけでできる業務が減ってしまっているのがオフィスオートメーションが進んだいまの世の中である。コンピュータ(パソコン)抜きでは業務にコストがかさんでしまい、またパソコン抜きでは業務進行が実質上できないのが現代の社会である。

  個々人のだれでもが経験するのが、パソコンの故障、電子メールの設定が壊れてしまう故障、インターネットにつながらないといった故障、社内LANにつながらない故障などによって生ずる不便である。電子メール使えない故障が発生すると途方にくれてしまう。仕事が何もできない、ということになるからである。電子メールはインターネットを利用してできあがっている通信システムである。いまやインターネットは巨大な情報システムであり、その性質や内容、機能を理解するのが難しいほどである。テレビもラジオもインターネット通信網を利用してパソコンから利用することができる。

 そのインターネットとは何であるかということの理解に挑んでみよう。インターネットは新しい巨大な情報メディアであり、いまなおすごい勢いで膨張しつづけている。インターネットによって個々の情報が組み合わされて、頭脳のような機能も備えるようになっている。巨大化した情報システムは、人間と物という従来の構成要素に追加された第三の構成要素となっている。経済活動の多くがこの巨大な情報空間のなかで営まれるようになっていて、大げさに表現すると情報そのものが財の性質を多く含むようになっている。

 計量の制度が社会の重要な社会基盤(インフラストラクチャ)でありつづけている一方で、インターネットがつくりだす情報空間は経済社会と文化活動に連結する基礎的な社会基盤を形成するようになった。新興国に工場進出したり、この地で営業など事業活動をするときに電子メールが使えない、インターネットにつながらないということであれば、実質上こうした活動はできない。インターネットがつくりだした情報空間は、人間の経済活動の場面では、従来の物理空間を押し退けているほどである。

 電子メールをやり、インターネットにつなぐ設定はパソコンの家電量販店などが別途料金でやってくれるが、パソコンにまつわる故障などの不都合を解消するための支援システムを個々人がつくっておくことが大事だ。パソコン利用者にとって一番厄介な故障対応の支援サービスはその料金体系を含めて十分ではない。充実が求められる分野である。

 いまなお電子メールができない人、インターネットを閲覧できない人がいる。こうしたことができるかできないかということと、その人の学校歴とは関連がないことが調査でわかっている。学校の教科学習が優れていた人で、まだ電子メールやインターネットの利用が十分でない人は、妙な自尊心を捨てて家電量販店に泣き込んでこの方面の扉を開くとよい。

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