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日本計量新報 2012年9月9日 (2932号)

地方の産業振興と計量器産業の連携

 日本列島ぐるっと3万キロメートル。それを縦横に輪切りにして細かに走ると20万キロメートルにはなる。47都道府県の県庁所在地を見て、それぞれの地域の市町村を回って歩くと、一つの共通した事象を把握することができる。県庁所在地は何だかんだいっても栄えていることだ。日本の経済の内容が1次産業から2次産業に移り、そして3次産業が主体になりつつある状況にあっては、サービス業などが集積するのは県庁所在地であることによる。

 日本の地方の市町村はかつての賑わいが薄れている。その地方に時代にかなった産業が立地しないのがその主な要因である。経済の中心地である東京、大阪、名古屋、仙台、広島、福岡、札幌などから遠く離れるほどに、また高速交通網で結ばれていないところはどうしても企業が進出しにくい。それでも地方ごとに産業が成立して経済が活発でなければ、トヨタや日産の車は売れないし、大型テレビも売れない。岩手県を例にとれば県庁所在地の盛岡市の繁栄ぶりはそれなりであるが、新幹線と東北自動車道の高速交通網の利便性に依拠して企業誘致した北上市や県南部の繁栄が著しい。製造業のあるところには自動化システムがついてまわり、それは計量システムであることが多い。

 東京都と大阪府ではその賑やかさに差がついたということになっているが、首都東京と地方都市の間にも同じ現象がある。そしてまた地方都市とその遠い外縁部では賑やかさに差がついている。東京都のなかにあっても新宿、渋谷、銀座の華やかさに比べて、山の手、下町を問わず街の商店街はシャッター通りとなりはてており、外縁道路沿いにつくられた大型ショッピングモールに人があつまる。地方都市の郊外部に出店しているイオンの存在が目につくのは何故だろう。同じスーパーマーケットであってもイオンは特別な状態にあって、業績を拡大している。

 イオンなど大型のスーパーマーケットが立地すると、そこではハカリなどが多数使われて、そのハカリを管理する業務が発生する。それはハカリに限らずスーパーマーケットの電子システム全体におよぶものであり、この領域を担うのが、かつてのハカリ企業であるのは何とも心強いことであり、関係する者にとって誇りでもある。

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