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日本計量新報 2014年9月7日 (3024号)

物流の速さと経済活動、そして物流システムと計量器

高速自動車道路の圏央道の高尾山と相模原愛川の間が開通したことによって、中央道と東名高速道路が首都高速道路を経由しないでつながった。圏央道のこの開通は関越道路と東名高速道路との連結をもたらす。相模原愛川インター近くにはヤマト運輸の巨大な物流倉庫が建設され、これが稼働する。
 物流に関連する自動車道、とりわけ高速自動車道路がはたす役割は大きい。その昔は鉄道の国鉄などと日本通運の自動車による配送、そして国営の郵便事業が主であり、鉄道までリヤカーで荷物を持ち込むことなどが昭和40年代には普通におこなわれていた。池田内閣に郵政大臣として初入閣した鈴木善幸氏は後に総理大臣になる。この時代の物流に占める国鉄と郵便局そして日本通運の割合は大きかった。昭和40年代までは輸送に多くの時間を要したことから生鮮食品の流通は限られて、生の魚、野菜などは地元でとれたものが地元で消費された。日本酒は地元で作ら地元で消費された。木材も似たような状態であり、造り酒屋と材木商は地域の旦那衆でいられた。
 自動車の利用によってモノの動きが縦横無尽になり、移動時間が短縮されるとさまざまな変化がおきた。八百屋、肉屋、魚屋、金物屋、雑貨屋、総菜屋、お茶屋、衣料品店などの多くは商店街での経営が困難になり、こうした商店街はシャッター通りになっている。東京都江東区にある名物商店街の砂町銀座はいまも昔と同じ賑わいをつづけている。そのかたわらで直近の場所に大型のショッピングモールができて、自家用車を利用しての買い物客を集めている。 
 モノが2倍の速さで動くとそれに比例する経済の動きが生じる。すばやく多くのモノを集めて、送り出すといった動きが活発になっている。倉庫に集まるモノを識別し、配置し、管理する。その目的は迅速に集めて、送り出すことである。この分野で業務にからむ管理システムを事業とするハカリほかの計量計測機器事業会社がいくつかある。モノの寸法を測る、モノの目方を計る、モノの容積をはかる、冷蔵と冷凍の倉庫の温度を管理する、ほかのハカルとそれを管理するシステムがここで稼働している。昭和40年代にはなかったことであり、その時代は鉄道と郵便と日本通運などでは、ハカリが重要な荷物の料金の算定のためにモノサシとともに用いられていた。

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