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日本計量新報 2017年2月19日 (3138号)

金物屋、洋品店、工務店が減るのには訳がある

工事の現場では巻尺が使われなくなっている。代わって使われているのがレーザー測長器である。測定する対象は幅であり鉛直であり直角であったりとこれまでの建築用測定工具がする作業を1台でこなし、その精度は文句のつけようがないほど高く、作業にあたってうっかりミスを誘発することがなく作業員と作業時間を減らすことができる。また巻尺の機能をレーザー測長器にした簡便な機器がありこれにはスマホにおける伝送機能が付けられていて、現場での測定者と事務所との間で計測情報の共有ができるので、材料の発注や加工の手配がすぐにできる。

ローマ字の2文字や3文字で語られる意味の範囲が広くて人々が共通理解しにくい新しい時代の技術とその社会利用を上のレーザー測長器がそのままに物語る。そんなものではないそれよりはるかに広く深いというのであればそれはそのことが理解できる人にはビジネスの成功の機会が多いということである。

ややこしい測定の仕方をやさしくやってのける、精密さに満ちていて、デジタルデータとなっているので測定データの即時加工ができる。またこの測定器によって作業時間を減らしたり作業員を省くことができるというのであれば旧来の機器に代選することで新しい市場ができあがる。

良い物ができあがっても流通の良い場所と縁をつながないと多くを売ることができない。自前の流通体系をつくっているところもあるが、ホームセンターなどを通じて販売する機器であればそこに入ることができなけければならない。ホームセンターに棚をもっている会社は強い。ホームセンターは系列をなしており全国展開の度合いが以前に増しているようだ。ホームセンターとその卸事業者と良い仲を結んでいる会社は、同じ内容の製品であれば他社の10倍を売り上げることができる。商品流通におけるインターネット通販の急進がある。商品情報の検索と注文とが一体になっていることが強みでもある。

ホームセンターが普及したことによって街の金物屋が店を畳んでいる。衣料品のチェーン店は街の洋品店を食ってしまった。コンビニエンスストアはその地域で従来から商売している店をつぶしてしまい、百貨店の在り方に疑問をもたせるようになった。住宅販売会社は街の工務店を下請けにするようになった。街の工務店に住宅建築を依頼するのに信頼を持ち得ない人々の需要を取ってしまったことによる。

物事の動きにはさまざまな要素を含めた理屈があるが、その理屈を理解したり解き明かしたり予測することはたやすくない。

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