高い目標設定と、最適なプログラム、情熱の維持
スポーツのすばらしさをもう一つあげます。たとえばゴルフの石川遼選手です。すばらしいのは、あの若者が、高い目標を掲げて、それを達成するために適切なトレーニングをし、目標達成へのモチベーションを維持し続けた、ということです。あの若さで獲得賞金1億円を突破しました。
スポーツの世界では、高い目標を設定し、それを実現するためにどういうプログラムを組むか、そして情熱の維持ということを真剣にやっています。
これは個人であろうが、企業であろうがチャレンジする場合に共通のことです。これを経営に結びつけたものを、私は「スポーツ経営」と名付けています。
私は、学生の時に全日本学生馬術個人選手権に出場しました。この時に掲げた目標は「学生日本一になる」ということです。そして、この目標を達成するためには、現在の自分には何が足りないのか、その克服のためにはどうしなければならないのか、ということを必死で考えました。そしてモチベーションの維持。私はそれを修整しながら実行して、学生チャンピオンになることができました。私は、このことは社会人になっても必ず役に立つと自信を持ちました。
スポーツ経営とは
結果として得た賞状は役に立ちませんが、しっかり分析して自分で創りあげたプロセスは、スポーツにも、企業にも、自分の人生にも、共通して通用します。役に立つのです。
高い目標を設定する
もう少し具体的にいいますと、第1は目標であるロマンの設定です。高い目標を設定します。立てた目標は必ず実現します。私はこれを「狙った獲物ははずさない」と言っています。
目標実現への条件を設定する
思いは絶対に達成するということです。では、どうやったら達成できるのか。
第2は、目標達成への条件の設定です。さきほど「推測判断力」ということをお話ししました。目標が達成されるときは、どのような条件が整ったときなのか、ということを設定するわけです。目標達成への絶対的条件は何かと考えるのです。それは、日本一という目標をブレークダウンして条件に分けてみるという作業です。
基本が大切
そうすると、(1)ナンバーワンの人間は基礎がしっかりしていることが解ります。これはスポーツであろうと仕事であろうと共通しています。当たり前のことがきちっとできる基本の大切さです。自己流ではダメです。
そして、(2)リラックスすること、(3)基本の上に自分の長所・得意技をプラスしていくことです。
何が足りないのかを把握する
第3は、推定した必須条件と実態とのギャップをキャッチすることです。
第4は、そのギャップをつぶすシナリオを設定することです。
第5は、作成したシナリオを、ひとつひとつ行動で潰していくことです。ここで自己弁護してはいけません。自己批判力が必要です。
目標の達成には、特殊な能力とか才能は必要ではありません。何が足りないのかきちんと分析して必要な行動をきっちりやっていくこと、そしてモチベーションを維持することが、目標達成への道です。
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